あらすじ
「幕府はどうして倒れたのか?」から「明治はどのように終わったのか?」まで―大きな問いに答える形で、第一線の歴史家が東大駒場で連続講義。近代日本の原点を探る、知的探究への誘い。
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幕末の江戸幕府や明治時代への印象が変わる本。
徳川家茂は一橋派との跡継ぎ争いに勝利し将軍の地位についたものの若くして病死した程度の印象しかなかったが、実際には積極的に上洛を行っていたらしい。
また、江戸幕府は保守的だったため倒れたのではなくむしろ改革を行ったことにより瓦解していったという見方も面白かった。
そして始まった明治時代に関しても、江戸幕府が倒れた後武士は一体どうしていたのか、明治時代の終わりはどのようなものだったか等が、明治時代の人間の視点から考えられている点も良かった。
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明治史は高校までの歴史の授業では、あまり深く教えられていないと感じているが、大学でこのような講義が行われていることに感心した.明治維新の内容を細かに追跡した 第二講 幕府はどうして倒れたのか? は、まとまった論考だ.文久インパクトと名付けた解説は秀逸.第六講 日露戦争はどうして起きたのか? も、元老の存在を前面に掲げて解き明かす感じのストーリーは楽しめた.また、第五講で解説されている「華族」については、知らないことの連続だった.面白かった.
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2019年3冊目。日本史は受験科目ではなかったので、明治史は大きな出来事しか知らなかったけれど、この本でいろいろなことを知ることができました。徳川幕府は倒されたのではなく瓦解したのだとか、内閣総理大臣の権力は強くなかったとか、日露戦争の前には満韓交換論で纏まろうとしていたなど。
そして、明治天皇、大正天皇、昭和天皇と崩御の際の祭り事が少しずつ簡略化されてきていることは、今上天皇の御退位に向けて、最も参考になりました。昭和の終わり、M社では事前に喪章を準備していて、崩御の報と同時に店の社員、アルバイトさんに喪章を付けるよう連絡しようとした時、当時の副社長級の方から、準備していたという印象を与えないよう、午後から付けるようにと言われ、変更したことを思い出しました。あのような混乱は今回の御退位ではないのですね。
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最近,「西郷どん」の影響か,明治が気になります。
本書を読むと,「明治時代とはどんな時代だったのか」…その概略がつかめます。年号と天皇の世が一致していた最初の時代。天皇は死んだ後,明治天皇と呼ばれていますが,こういう風な諡のようなことは,明治からです。明治・大正・昭和・平成…このような日本のやり方がこれからも続くのか,それとも年号や天皇などはなくなっていくのか,それは,後世の国民の選択に俟つべきでしょう。
少なくとも,この明治の時代は,そこで生きていた本人たち自身が「私は明治の時代を生きている」と思っていたということです。だからこそ,「明治史」という視点で歴史を見る必然性も出てくるのではないか…著者たちは,そう言います。
本書は,東大教養学部前期課程の連続講義をまとめたものですが,ま,義務教育+αの日本史の教科書的知識があれば読めると思います。
日露戦争のキッカケにも関わった「満韓交換論」という言葉は初めて聞きました。また,華族にについても,あまり詳しく知らなかったので,興味深く読めました。
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ちくまプリマーのはじめてシリーズはどちらかというと中高生向けに仕立てられており、なんとかついていけた。のだが本書は東大生向けの講義をまとめられており、ちょっとしんどかった。第ニ講が一番面白かったかな。説明されているのは幕末だけど。