あらすじ
高校へは行かずに、独学で大学へ進む道もある。通信課程の大学で学び、学者になる方法もある。レールはひとつではない。世界の価値観は多様だ。自分のペースで学び、生きていくためのヒントと勇気をくれる一冊。
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Posted by ブクログ
以前に読んだ独学勉強法の本が大変興味深かったので、同じ筆者のこの本を読んでみました。この本では、学歴や社会に出るまでの課程には様々な方法がありルートは一つではない、ということが書かれていました。偏差値の高い高校へ行き、有名な大学に入り、名のある大企業に入る、という日本には画一的な信仰があり、それに反れると人生が終わってしまうのではないかと思う傾向がありますが、そうではなく、多様な道があると説いていました。自分のペースで学ぶことの面白さと、生きていくための勇気とヒントが書かれていました。
以下、印象に残った部分です。
良い高校、良い大学、すぐ就職。皆その道しかないと思って、ここを走らなければならない、人より遅れたらもうだめだと思い込んでいるが、実はそんなことは全くない。それは、僕みたいに道を踏み外してみると、とてもよくわかる。
ちょっと踏み外してみると、その道の周りにはかなり広大な道が広がっていて、そこから向こう側に行く道がいっぱいある。狭い道をきゅうきゅうと歩くだけが道ではなく、広い道もあってのびのびとそれなりに生きていける道もある。
勉強はある程度好きなことに集中し深度をもって一つのことに取り組むことは悪くないと思う。入試ではいろんなことを知っていることが偉いという傾向があり、それはもちろん否定はしないが、実はすべてのことをそんなにたくさん知っていなくても十分暮らしていけるし、世の中に充分貢献できる。アメリカの経済学者は特定のことに非常に詳しい人が多い。後の知らないことは知っている人に聞けばいいじゃないかという割り切りをしている。
やり直しの道はいっぱいある。他に道はいくらでもある、と考えながら走ればいい。
スタンダードな道でないと光が当たらないしあまり皆に知られないが、意外にルートは色々ある。
受験勉強は一つの特殊な能力でしかない。試験向きでない人の能力は評価されない。試験向きではないけれどいい研究をする学者はいっぱいいる。大学受験だけを見ていると実はとても特殊な能力だけを見ているのだと思う。選択肢の広い世界になることを願う。
Posted by ブクログ
大検→通信生大学卒(経済学)→国立大学院(経済)→現在准教授
という経歴の柳川先生による自身の独学主体の勉強法について説明いただいている。
経歴だけに目が留まりそうだけど、実はとても真摯誠実、そして丁寧な学修法の教授になっている。
講演を拝聴しているような読書感があり、100数十頁ほどの分量のためすぐ読めてしまった。
ご自身の幼少の頃からの歩みと照らして、その時々の学修への取り組み方、工夫したこと、そして現在の研究者としての執務でどのように役立っているのか、という話がメイン。
基本的に教科書や参考文献を読むことと、レポートという小論文を論述することが日々の学修の根幹である通信大学生には、柳川先生の独学学修法はとても役に立つと思った。
先生のいわれる独学とは、教科書・テキストをまずはとにかく読むことから始まる。
そこには読み方の工夫もあるし、読んできた中での失敗も有用な点にも触れられている。
読み進める中で、直面する失敗や苦悩というものも大方共通しているし、みんなこのようにして学修スタイルを築き、取り組むのだな、と溜飲がさがる思いもあった。
そして、本書で参考になったのは、テクニックなどの話ではなく、真摯に誠実丁寧に勉強・学修をしていきたい、と考える人にうってつけの内容であるという点。
それでいて我慢や忍耐を前面に押し出すような話ではなく、創意工夫というものがみてとれた。
個人的には人生で出会った良かった、と感嘆した一冊となった。
そこには、海外の教育制度とも照らし合わせた日本の教育論への著者の考えに共感したことも大きい。
いずれにせよ、通信生大学で学ぶ皆さんには是非紹介したい一冊だと思った。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
高校へは行かずに、独学で大学へ進む道もある。
通信課程の大学で学び、学者になる方法もある。
レールはひとつではない。
世界の価値観は多様だ。
自分のペースで学び、生きていくためのヒントと勇気をくれる一冊。
[ 目次 ]
第1章 道はたくさんある―高校へは行かないという選択(高校へは行かない生活 ブラジルでの独学のスタート 独学時代の一日の過ごし方 ほか)
第2章 こんな勉強をやってきた―大検合格法(ノートは作らない マーカーは引かない テキストを二回読むようになる ほか)
第3章 いつでもやり直せる―通信大学から研究者の道へ(慶応の通信で経済学を学ぶ 自分に合った本を探すことが大事 大山道広先生との出会い ほか)
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