【感想・ネタバレ】焦土の鷲 イエロー・イーグルのレビュー

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伝統を守る強い執念

2019年08月18日

終戦の日が近かったので、選びました。

史実に基づいたフィクションだと思いますが、いま通っている歌舞伎座には、こうした歴史があったであろうことに、想いが馳せます。
辰三郎と香也の歌舞伎への執念は、今の役者さんにも通じると感じると共に、畏敬の念を抱かずにはいられませんでした。
そして、大切な人を想う気...続きを読む持ちに胸を締め付けられ、憧れのようなものを感じました。

歌舞伎の見方が変わる気がします。

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Posted by ブクログ 2018年12月26日

GHQの占領下の日本で制圧された歌舞伎を始めとする日本芸能。今作では、その制圧と立ち向かい、歌舞伎の世界に生きる若者・辰三郎と、戦犯として巣鴨プリズンに収監されるが、アメリカの諜報機関の一員として、活躍する辰三郎の戦時中の上司・宮本、主に二人の視点で描かれる。
GHQの占領下を題材にした作品は、結構...続きを読むな数を読んできたが、歌舞伎に視点を当てた作品は初めて。こんなところにも、影響があったのかと、ただ自分の無知を恥じるのみ。
今作を読んでいる最中に、現天皇陛下が平成最後の誕生日を迎えた。
個人的に、現陛下は戦争の謝罪のために奔走した、平成30年間だったと思う。先代の昭和天皇の戦争の過ちに、さぞ胸を痛めていたことだろう。その思いが、今回の誕生日の会見のお言葉の裏にも垣間見えた。
昭和天皇の敗戦の責任は大きい。しかし、その天皇を敗戦後、人間として受け入れ、大きな混乱もなく、「日本国の象徴」として、今日まで続く日本社会に疑問を思うことも多々あったが、その疑問に今作では大胆に触れている。
諜報物を得意とする作者だが、今作では新たな分野に踏み込み、タブーとされていた分野も描いており、今後の活躍がさらに楽しみになった。

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Posted by ブクログ 2018年12月18日

名称が持つ意味は早々に明かされるイエロー・イーグル、だがその背景は一口では説明できない。主要登場人物に歌舞伎役者がいるが、歌舞伎を観たことがない者にも問題なく読めた。戦争に負けた日本が、しかし事実を受け止めて生きぬかんとする姿が、焦土となった東京で驚くほど生き生きと描かれている。負けてもそこに命があ...続きを読むることの凄みを感じた。他方、米国側として登場する日系米国人の苦悩。誰も生まれる場所を選べず、運命にも抗えない。そんな紛れもない絶望がそれでも希望となることもあるとおもえば、生きることに信念を持つ勇気が生まれた。

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