あらすじ
2016年5月、スイスの広場に「What would you do if your income were taken care of?」(お金を稼がなくてよくなったら、あなたは何をしますか?)と書かれた、巨大なポスターが現れた。これは、世界で初めてベーシックインカムを求める国民投票を実現させたアーティスト、エノ・シュミットらによる「世界最大の問い」だった。ベーシックインカムは、社会や人間に何をもたらすのか。四人の執筆者が「世界最大の問い」を考える。
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Posted by ブクログ
「働かざる者食うべからず」は基本的人権を尊重しているのか?
働けない人、働いてもそれが経済活動にリンクしていない人(家事のみをしている等)…これらの人には衣食住の権利がないのだろうか?
ベーシックインカムという考え方がある、どんな人にも最低限人間らしく生きるための収入を与える、人としてきていくうえでの不安を最低限払しょくさせる考え方である。この本では、このベーシックインカムを主題にしている。その理論の経済学社会学的説明や推移などが書かれている。
が、タイトルの「じゃベーシックインカムが制度化されたとして何をしますか」という部分は全くとっていいほど触れられていない。大げさに言うなら「タイトル詐欺とも言える。実はそこがとても残念だった。
ベーシックインカム制度については、あったらいいなぁと思う反面、現実的には無理だろうなと思っている。配給制や原始共産制が成功した試しはない。人間はそこまで立派に成長していないんだと思う。ベーシックインカムを搾取しようとする連中はたくさん出てくるだろうし、あえてそこに引っかかりにいく連中もたくさん出るだろう(パチンコに費やすなど)。生きていくに困らない収入があればしたくない仕事はしなく済むのだろうか?キツくて辛い仕事は、現実にそこにあると思うんだが、それはAIやロボットで全て賄えるのだろうか?
そういうところにもっと触れてくれるのかと思ったら、そこは置いといてぇ、なんだもんなぁ。
最終章、京都の本町エスコーラの章で「ベーシックインカムがあったら何をしたいのか?それは今できないのか?ベーシックインカムのある社会が理想ならそこに近づく実践をしようじゃないか」的な記載があって、そこが大きな救いだった。