あらすじ
イラストレーターの有村文子(39)は、終末期の在宅医療専門医である姉・美香子(44)から母の仁子(69)が乳がんを患っていることを知らされる。自由奔放な仁子は、スピリチュアルに傾倒し、標準治療を「つまらないから」とやめ、すごい乳酸菌と拝み屋の力で乗り切ろうとするが……母らしく“死”を迎えられるよう、仁子の子供たちとそのまわりの人々が奮闘する姿を描く、リアルな“家族の看取り”の物語。
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Posted by ブクログ
自由奔放に生きてきた母仁子が末期ガンに罹患していることが分かってから、亡くなるまでの数か月を過ごす家族たちの物語。
周囲の人々の優しさとか、死にたいする心構えとかが感銘深くて良い。優兄ちゃんの優柔不断さ、ミカ姉ちゃんの緩和医療に携わる者の覚悟、文子の愛情深さ。こんないい人たちを育てた親、すごくいい人だろうと思いきや。
本当の主人公ともいえる、彼らの母仁子がとにかく奔放すぎる。俺の親がこんなだったらどうだろう?彼ら兄妹のように優しく(勿論けんかやもめ事はあるのだが)接することができるのだろうか?少なくとも配偶者の親だったり兄妹だったりの関係なら、縁切りしてるだろうなぁ。父親もなんとも頼りないくせに頑固だし。
家族の中って、外野には分からない色々があるもんだろうと、この歳になって思うけど、その色々も含めて家族親族なんだろうけど…。
Posted by ブクログ
騙されやすく、夫の稼いだお金を湯水のように遣い、人に貸したりして家族に迷惑をかけつつ、その奔放さゆえか、憎み切れない母が癌になった。
頑固なうえマイペースなので、突然治療をやめたりもする。この病気では死なないと信じている、この天真爛漫さが私には羨ましい。家族は、この人らしい死に方のサポートに徹するのだ。
在宅専門の看取り医である長女の言葉
「死は負けじゃなくて、ゴールです。病気になったことで結果的に亡くなったからといって、負けたというのはおかしいじゃないですか。その人らしく生きてきたように、その人らしい亡くなり方があるんだと思うんです」
人間は致死率100%
産まれたその日から、逃れられないゴールに向かって、どう生きるのか。どう死んでいくのか。
私らしい死に方を考えて生きたい。