あらすじ
過去と現在が交錯する図書室で出会った二人。
居心地の悪い家に帰りたくない爽風は、放課後の時間を潰すために、学校の裏庭に建つ三階建ての古い図書室へ向かった。誰もいない図書室で本を探していると、物陰からひとりの男子学生が現れる。彼、笹木誠は同じ学年らしいが、まったく顔を知らない生徒。そして優しい笑顔を見せる彼の口元には、誰かにつけられたであろう痛々しい青痣があった。
「この世界の神様になりたい」と呟く不思議な誠。彼に何が彼に起きているのか聞けないまま、爽風はその後もたびたび図書室で誠と会い、しだいに二人の心は寄り添っていく。
だが、ある日偶然手にした数年前の卒業アルバムに、爽風は誠の姿を見つける。そして、かつて誠の担任だったという教師から、驚愕の事実を知らされて……!?
時間が交錯する不思議な図書室で、繋がったふたりの「いま」。爽風は誠を未来の“死”から救おうと、事なかれ主義だった自分を奮い立たせる。諦めを希望へと変えるために――!
胸がふるえる感動の青春ストーリー!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
自分の周りで揉め合っているときや他人が悩んでいそうなとき、「自分には関係ないから」「自分が動いたらそれが裏目に出て余計に悪化する」と思ってただ傍観することが一番気楽だと思っていたが、この本を読んで誰かのために自分から動くことの大切さを学んだ気がする。いじめの標的にされてでも自分の存在価値を確かめる誠の気持ちに少し寂しさを感じた一方で、誠のおかげで爽風が変わっていく様子にすごく感動した。
Posted by ブクログ
期待しないで読み始めて、
とてもすっきり入ってくる文章に入り込んでしまった。
とてもよかったです。
生きている年月がズレているパターンには
既視感はあるけど気にさせない展開。
最後がきちんとハッピーエンドで終わってくれて。
主人公がいろんな問題にきちんと向き合って。
とってもよかったです。(にかいめ)
Posted by ブクログ
「僕は、この世界の神様になりたい」
適度に周りに合わせ、適度に自分を押し出しながら過ごす日々。
目をそらさず行動すればなにか変わるかもしれない。でも、行動して悪化することもある。
何が正解なのか。どうすべきなのか。
果たして自分の行動は正しかったのか?
あなたならどうする?
人の気持ちを考えるって難しい。
いろんなことを考えさせられる本だった。
彼の優しさに涙。
爽風の成長が見えてよかった。
素敵な言葉がたくさんだった。
終盤涙がこぼれた。
Posted by ブクログ
少女漫画のような話かと思って読み始めましたが、それだけではなかったかな。人の事情に立ち入らないのは現代の流れではあるけれど、そこをあえて立ち入る勇気の話にもなっていました。最初は失敗して拒絶されるのもリアル。
Posted by ブクログ
拗らせている。とても拗らせているんだけどそれこそが青春、だったりするのかな。
自分が何かしたって何も変わらない、流れに身を任せる、そんな生き方をしてきた爽風の気持ちがよくわかる。自分の世界はちっぽけで、余計なことはしないで過ごしたほうがいいんだろうと私も思う。
でも最後の終わり方は前向きでよかった。笹木誠との図書室の会話も好きだったな。
Posted by ブクログ
正直、あまり期待せずに中身の確認程度に読み始めた一冊だった。
ところがところが。
主人公の爽風も、その仲良しの真由子も、クラスでハブられてる増田さんも、昔笹木誠をいじめていた如月さんも。
それぞれの気持ち、思い、葛藤が、自分も少なからず経験をしているもので、なんとも言えない苦しい気持ちになった。
けれど、彼らのほとんどは、強く健かに成長していく。爽風も、時を止めかけた笹木誠をこの世に留めるぐらいに、強くなっていく。
乙一さんの「きみにしか聞こえない」と対にして読むといいかなと思った作品。
Posted by ブクログ
放課後初めて足を踏み入れた古い図書室。そこで見知らぬ男子生徒の誠に出会い、たびたび話すように。
しかし彼は数年前に卒業していた…
学生時代はいじめとかいやがらせとか
こういう問題や悩みってつきものだよね…(._.)
爽風の“彼を助けたい”って想い
未来の誠が幸せでありますように… ・
爽風の「わたしは、わたしの為に行動する。」って一文に私自身が勇気をもらいました(*´-`)
Posted by ブクログ
ミステリー7日と思ったら青春小説だった
図書室での少年との出会いで、主人公が変わっていく様は感動的
図書室での出会った少年の拗らせ方がわかるわあ
ティーンエイジャー向けなのか、テーマがキラキラしてて綺麗
明日からそう思って引き渡したので日々を過ごそう
物語の後の二人がどうなったか気になる
Posted by ブクログ
序盤から中盤はどきどきハラハラの展開で、主人公の行動と過去の交わりに注目して楽しめる。
しかし一方で、オチが少し甘く、予想できてしまう。がっかりという印象が強く残り、全体として急ぎすぎた展開に思えた。
とはいえ、キャラクター性や設定はすごく好みの作品。
Posted by ブクログ
神様は、ここにいる。
爽風が図書室で出会った少年は、三年前に事故にあって眠り続けていたーー両親の不和、いじめられているらしい幼馴染、あまりよくないクラスの雰囲気、爽風は「神様」になれるのか。
優しい世界。物語の中に出てくる本のように、レビューは酷評されるかもしれない。あまりにお話が甘いので。でも、動き出すことから、世界が変わること。何もしないで現状にもやもやするのでなく、無理に正義を振りかざすのでなく、自分にできることを、自分の感じることを素直に出すこと。それができるようにエールを送ってくれる話。もやもやを抱えている小中高生におすすめしたい。
とても雰囲気のある図書室ですが、司書の方があまりに非現実的存在で、そういうイメージが強いのかなと思いました。