【感想・ネタバレ】「10%消費税」が日本経済を破壊するのレビュー

あらすじ

2019年10月に予定されている、8%から10%への消費税増税。これが本当に実施されるならば、日本経済は壊滅的な大打撃を受けることになる。実質的に賃金が低下する「働き方改革」、2020年東京オリンピック特需の終焉、さらに立て続けに起きている大雨・台風・地震による被害と合わせてのトリプルパンチを受ける格好だ。10%への消費増税がなぜ日本経済に壊滅的な打撃を与えるか? その理路を明らかにするとともに、消費増税にかわる他の税制政策、さらには日本が目指すべき社会保障の設計図を提示。これが日本再生のシナリオだ。

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Posted by ブクログ

経済があまり得意でない私でも非常に理解しやすく解説してあり、多くの発見があった。

メディアでは"消費税が上がるとどうなるのか"という特集は見かけても"なぜ消費税を上げる必要があるのか"という議論はあまり見かけない。ただ"消費税上がるのかぁ";"嫌だなぁ"という漠然とした不安が渦巻いていたが、この本は根拠とともに、素人にもわかりやすく消費増税の背景や代替案を提示してくれている。

読み終わった後に湧き上がる疑問は、「このようなより良い対応策があるのに、なぜ政府は無理をして増税しようとするのか」ということ。
私たち国民がもっと教養・思考力をつけ、行動していかなければならないのだろう。
政治はどこか当事者意識の低い雰囲気がある日本。自分ももっとしっかり教養を身につけ、行動していかなければならないと強く感じた。
今の日本に非常に危機感を感じるとともに、多くの人に読んでみて欲しいと感じる一冊だった。

「消費税上がるの嫌だ」
「なぜ増税するのか」
「消費税が上がるのは仕方がない」
と感じている人に是非読んで欲しい。

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2018年11月15日

Posted by ブクログ

消費増税しない代替策として、国債発行と減税、内需拡大が挙げられている。消費増税がデフレ増長に繋がることは分かったが、なぜ政府がそれを進めているなのか、推進派の論理も具体的にあった方が納得感は増したかと思う。

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2018年12月29日

Posted by ブクログ

既に10%の消費税。日本経済は壊滅している途中なのだろうか。増税は全く歓迎すべきものではないが、増税反対派の主たる主張は何だったのか。国は何故、増税しなければならなかったのか。

ー 消費税を10%にしたことで、そこからの4年間、日本はGDP約30兆円を損したことになる。また増税後に輸出が伸びているが、これは円安の影響で、さらにアメリカの好景気が理由である。これがなければ日本は衰退していた。

本書の一つの論拠として、1997年の時の5%への消費増税が景気減速を齎した事が挙げられる。確かに1997年を境に不況に転じる。しかし、1997年には1997年には、アジア通貨危機があったし、中国への香港返還があった。通貨危機はタイから始まり、韓国やフィリピン、インドネシアなどのアジア各国の急激な通貨と株価の下落を起こした。これにより日本経済にダメージが及び97年以降の日本経済の停滞をもたらしたと言われている。また、消費税3%の導入は1989年だが、これを無視している。1989年以降はまだ成長軌道にあったので、増税と衰退が因果関係にありはとは言えない気もするが。

しかし、ハッキリしているのは、1997年の増税の時も、2014年の増税の時も税収が大きく冷え込んだこと。実態は法人税と消費税を入れ替えていりはだけで、消費税額は上がっているが、法人税額が下がっている。更に、働き方改革による残業代の縮減により、労働者の所得が8.5兆円減ると予測される。つまり、庶民の金を会社に流す。会社に流した金を配当で金融所得者へ。

ー デフレ化すれば法人税を支払う法人数は半分程度にまで大きく縮減する。これが、デフレ化すると大幅に税収を下落させる大きな理由だ。第二に、所得税は、所得が高い世帯ほど税率が高い。したがって、デフレになって各世帯の所得が減れば、所得の水準のみならず「所得税率」それ自身が低下する。その結果、所得税は、水準と税率という「ダブルの効果」で低下していくことになる。第三に、デフレになって失業者が増え、役困世帯が増えれば、失業手当や生活保護等の社会保障についての政府支出が拡大する。これもまた、財政を悪化させる重大な原因となる。このように、デフレになればただ単に経済規模が小さくなって税収が減るだけでなく、税辛そのものも低下し、しかも、社会保障の支出も拡大し、それらの総合的帰結として、加速度的に財政が悪化し、図1に示したように「赤字国債」を20兆円規模で拡大せざるを得ない羽目に陥ったわけだ。

既得権益への配慮によって社会が歪んでいるのか、或いは、こうした論理が単純化され過ぎているのか、いずれかだと思うが、大多数が得をしない状態ならば、投票行動で何とかならないのか、と思う。配当で儲かる人が増えれば、給与所得者が不利になるのは、困ったものだ。

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2024年07月28日

Posted by ブクログ

いつもラジオで聞いている藤井教授の警鐘本。
平成時代の失敗を繰り返してはいけない。
データや統計を表示していて、経済失政の結果がわかりやすい。これらデータに謙虚に向き合わないと。

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2019年10月12日

Posted by ブクログ

 政治的に難しい事を活字として出版するのはなかなか難しい事だと思う。
 
 清くすべての面が正せればそれでよいのだがそれに追随するかしないかは読者の判断に任せるとしか言えないのだろう。

 簡潔に記しておくと消費税は必要のない税だと思う。本文にも記載されていることだから触れないが多くの点で賛同はしたい。

 ただ、掲載されている図や表の出典の明記が無い事が気になる。意見は多く出されなおかつその根拠をしっかりと持った議論を政治に臨みたいものだ。

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2019年05月20日

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