あらすじ
交渉に勝つ者が生き残る。どんなに劣勢でも交渉に勝つことはできる。
アップルvsサムスン訴訟にかかわったNTTドコモ、三菱電機、東レ、丸紅、NEC、セイコーエプソン、リコーなどの訴訟代理人を務める「世界で最も恐れられる弁護士事務所」の東京オフィスのトップ弁護士が教える「交渉プロフェッショナル」の20原則!
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Posted by ブクログ
『交渉の武器』ライアン・ゴールドスティン
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【こんなひとにはお薦め】
営業活動含めて、相手方と交渉をする役割、業務を行っているひと向け。
【お薦め理由】
①交渉のプロフェッショナル/弁護士が執筆していること。
②専門用語が一切登場しないビジネス書であること。
③日本人が欧米と比較して交渉慣れしていない(スキル&経験)を鑑みての執筆であること。
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【読みおえて】
緊急性はなしだが、重要性があるテーマと考えて購読しています。なぜならば、ビジネスはすべて相手方が存在することによって成立しているからです。
C、E、Fの章立ては、目からうろこでした。30代前半で知っておきたかった知識群です。
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【著者とは?】
クイン・エマニュエル・アークハート・サリバン外国法事務弁護士 事務所東京オフィス代表。 カリフォルニア州弁護士。カリフォルニア州の40歳以下の優秀な弁護士に贈られる 「Top20under40」 を35歳で受賞。
NTTドコモ、 三菱電機 東レ、 丸紅、 NEC、 セイコーエ プソン、リコー、キヤノン、ニコン、円谷プロなど、 主に日本企業の 代理人として活躍するほか、 アップルvsサムスン訴訟など国際 的に注目を集める訴訟を数多く担当。
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【A;交渉とはなにか?】
当方側の目的を達成する手段である。
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【B;交渉をはじめる前に。準備】
何を交渉するのか?
①譲歩できること
②譲歩できないこと
をリストアップすること。
どう交渉するのか?
③交渉決裂ラインを決めること。
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【C;交渉シナリオ。どうつくる?】
相手方、そして当方側の事実を収集したうえで以下のポイントで整理する。
・当方側にとって最も不利な事実(相手方にとって最も有利な事実)はなにか?
この事実をもとに、相手方を説得できる組み立てを行うこと。
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【D;合意形成】
2つの種類がある。
1)個別合意。
交渉範囲全体に対しての合意でなく、部分的な合意であること。
2)一括合意。
交渉全体に対して合意できていること。
<1)2)共通のポイント>
自分の目的達成に対して重要度が高いものから交渉すること。
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【E;交渉での最強カードとはなにか?】
「交渉決裂」である。
したがって、B;のとおり、あらかじめどのような状況・条件のときに通知をするのか?決めておくことが無難である。
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【F;相手の真意を読み取るためには?】
「質問」である。
ただし、相手方は警戒をしている。したがって、「警戒心を解いた」うえで質問をすることが重要である。
そのためには、まず、こちら側が相手方に対して情報を提示すること。
これがB;①を整理することである。その中から、相手方にとってメリットがある情報を選択し、開示することが効果的である。
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【G;交渉をしやすくする「譲歩」のやり方とは?】
B;①の譲歩できること。これをこちら側で一括承認・譲歩することはもったいない。
相手方を反応・出方を観察するために、刻みながら譲歩することが有効である。
1回目の譲歩の幅を大きく、2回目以降の幅を狭くすること。そのことが、相手方に「交渉の限界」を認識させることになるから。
Posted by ブクログ
・相手に勝つ必要はない。交渉における勝利とは自分の目 的を達成すること
・窮鼠猫を噛む。相手を追い詰めるとこちらも痛手を負う
・感情は交渉の目的を見失わせる。イヤな感情を消すために交渉にするのではない。自分の目的を果たす。
しかし自然に湧き上がってくる感情を否定しても無意味。感情はそのままに距離をとる。「自分は怒っているな。脅えているな」と自分の感情を俯瞰して見つめる。冷静になるまで一切の判断を禁じる。寝る、相談も一手
・まず交渉決裂ラインを決める。「絶対譲れないもの」と「譲歩してよいもの」を整理して譲歩カードを切る
・交渉決裂ラインは死守。そのためなら交渉決裂もあり。
・強者は威圧して不安と混乱の心理を利用するため、反射的に反応しない。目の前の交渉に一点張りしない。どこまでも冷静さを。自分の目的を達成することが鉄則。
・争点に目を奪われず状況を俯瞰して把握する。相手はどんな状況に置かれているか?何を求めているか?何を恐れているか?弱点は何か?が分かれば有利、事前調査を怠るのは自殺行為。
・上司のせい、前任者のせいにする。やってしまってから謝る。
・相手がこだわる真意を知れば突破口となる。問題の本質はどこにあるか?
・謝罪は一度。すぐに共通の利益や解決を提案し過去から未来に視点を切り替える。
・最初のオファーが勝負を決めるアンカーとなる。相手の出方を探る。
・最初に最大の譲歩を示し、譲歩幅は徐々に小さく、最後は端数で。
・相手になりきって事実を見つ考えるスキル。自分に見えてる事実を押し付けない。相手を認めた上で、しかし…
・時に感情は論理を飲み込む。申し訳ない。
・全員が損をしてウィンウィン。