【感想・ネタバレ】セッちゃんのレビュー

新進気鋭のイラストレーター・大島智子による初の漫画作品!
舞台はいたって普通の大学、登場人物もいたって普通の大学生男女、繰り返される普通の毎日……。あっくんは、そんな「普通」の世界を「こっち側」、政治や戦争のある世界を「あっち側」と仕分けている。そんな彼が、ある飲み会でセッちゃんと出会う。交わらないはずだった彼女と知り合い、あっくんはやがてセッちゃんに惹かれていく。
そんな中、「あっち側」の世界では爆破事件が起き、あっくんの彼女のまみや友人たちがデモを始めた。身近な人たちが、少しずつ「あっち側」に向かうなか、あっくんとセッちゃんは「こっち側」にいることを選んだ――あの時までは。
誰とでも寝ちゃう女の子「セッちゃん」。誰とも真剣に交わろうとしない「あっくん」。「あっち側」と「こっち側」の境界線がうすれた社会と、その社会に戸惑う二人の青春を静かに、そしてエモーショナルに描いた作品。作品全体に漂うしんしんとした切なさと、それを裏切るような強烈なラスト。読み終わった後、きっとあなたも「セッちゃん」のことを考えずにはいられなくなっているはず。ぜひ読んでみてください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

前からなんとなく絵を見たことあるイラストレーターさんの初の漫画作品らしく、気になって読んでみた。
最初はどこか『チワワちゃん』ぽいのかなあ、なんて思いつつ、十年代を舞台にしていてスマホとか当たり前に出てくるし、大学の高橋教授が高橋源一郎さんがモデルだろうし、シールズじゃんみたいな学生運動にテロの話も出てくるけど、セッちゃんの「セ」はセックスの「セ」であり、セックスはありがとうとかごめんが必要なくていいと思っていて、付き合うとか言われると離れてしまうような女の子。彼女がセックスしない男の子とこれからって感じの展開になるかと思いきや、最後の部分にしてもこれ岡崎京子さんの『pink』を意識していると思う。やりたいことが、いや、構造もだけど、入れ替わってる箇所はあるが。
愛と資本主義、繁栄が終わった現実を受け入れられない現代日本のユミちゃんみたいなセッちゃん、だから、彼女はやっぱりどこにもいけない。

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2018年11月13日

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