感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
時代小説の中でも、西條奈加さんの描く物語には女性が活躍するものが多く、いつもぐっと心を掴まれます。
こちらの小説も、主人公のお藤の挑戦の数々に胸が高鳴りました。
そして、恋も。
あまりにも切なくて泣いてしまいましたが、
最後は嬉しくて泣いてしまいました笑
良かった〜!!
読み終わったあともずっと幸せの余韻にひたってしまっています。
とてもとても大好きな一冊になりました。
Posted by ブクログ
江戸時代における人材派遣業、および人事コンサルタント業界で辣腕を振るう女性差配・お藤さんの半生記。
非常にからりとした気風の良い展開が快い冒頭パート・増子屋奮闘編。
お藤の過去パートでの出逢いに端を発する百蔵恋慕編。
口入屋の女主人としてもいち女性としても円熟を迎え、次世代へ継がれる志・明るい前途を感じさせるような、満月を浮かべすっきりとしたラストシーン。
まさに人生は山あり谷あり・紆余曲折・九十九折りの如く。なかなか真っ直ぐ最短距離では行けないけども歩みを止めなければやがては頂に到達する。
一貫して爽やかな印象の作品で、特に序盤の店の切り盛りの場面は人物がみんな活き活きとエネルギーに満ち溢れていてすごく面白い。
が、八部会との対立〜百蔵の決行というシリアス展開に差し掛かると物語が熱を帯びる一方、それまでの勢いが減じられ、お藤も葛藤に絡め取られる。それは百蔵においても同様で、小網町での二人のやり取りは第三者(読者)立場としても苦渋が伝わってくるかのよう。
いや、このシーンについてはもっと分かりやすく後押しする描写の方がスカッとするのだろうけど、言外に漂う生々しい駆け引きのようなものが作品に良い味付けをしているような。
書きながら気付いたが’葛藤’ってまさにこの小説を表した言葉だなあ。
悩み悶え傷を負いながらも絡まった蔓を振り解き前へ進む、たくましい上質な大人のラブストーリーだと感じた。
9刷
2022.1.19
Posted by ブクログ
女性ながらに口入屋の差配をすることになったお藤。
武家に中元を送り出すような口入屋の仕事は荒っぽい男相手で、女が務まるような仕事ではないのだ。
だが、彼女は武家相手ではなく、商家相手の商売を考え、まず仕事を求めてきた人間に仕事を仕込むことから始める。
だが、それは店のものの反発を招き、また他の口入屋の反感も買うことになる。
それにも負けじと進むお藤の過去。
見事なお仕事小説であり、人材育成小説ですね。
面白かったです。
あと一冊、西條さんの本は読みかけがあるので、それを読むのもさらに楽しみです♪