【感想・ネタバレ】「サル化」する人間社会のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年05月08日

実は似たタイトルの他の本と間違えて注文してしまったもの。想定外で読み始めたが、とても面白かった。意図して読み始めたものでなくても、引き込まれた。
ゴリラ(家族中心)、チンパンジー(複数雄、複数雌の集団)、サル(序列集団) 人間はゴリラとチンパンジーの間でどちらから進化したのか?という問いかけが印象深...続きを読むかった。 他には家族と共同体の話、人間は子供期が長いということ、帰属意識の重要性などが教務深かった。
直前に別の本で「家族は選べる」みたいな趣旨の本を読んで考えさせられていたので、それとの対比という意味でも面白かった。
人間社会はサル化している?というのもその通りかも。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月01日

読んで良かった面白い。タイトルみを感じるのは最後のちょっとだけでほとんどはゴリラの社会。

猿は勝ち負けがあり上下関係があるけどゴリラにはなく、同性愛行動もする。

動物にそれぞれ名前をつけて観察するのが日本発でしかも下位の動物に名前をつけるとは!と西洋から反感を買うのは時代を感じてここまでしょうも...続きを読むないのかと笑ってしまった。

他の本も読んでみよう。

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Posted by ブクログ 2023年05月06日

サル、ゴリラ、チンパンジーとヒトの距離感と、なぜヒトがこのような社会を営むのかをつかむことができた。筆者の山極さんがゴリラへの愛情を込め、今西錦司さんから代々受け継がれる京大の霊長類学の系譜を丁寧にたどり、人間社会にメッセージを送る内容。幼少期のゴリラの遊びなどほんわかする話もあるし、ゴリラの同性愛...続きを読む、家族の作り方などはヒトにも通じる点があり考えさせられる。

子供に読ませたいと強く感じた。

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Posted by ブクログ 2019年11月26日

チンパンジーとボノボの本は読んでいたが、ゴリラについての本は初めて読んだので知らない事ばかりで刺激的だった。ゴリラの社会はなんとなく思っていたイメージとはかなり違っていた。この本はちょっとした読物といった体裁なので、次は著者のもっと本格的な本を読みたい。著者も書くように、類人猿の社会の比較から我々ヒ...続きを読むトの特性というものが少しずつわかってくるように思う。

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Posted by ブクログ 2019年02月12日

京大総長の山極さんの本二冊目。
こちらは割と読みやすい内容、文章で書かれていて、霊長類学入門には適してる一冊。

・霊長類学は人間社会を明らかにする学問(アプローチ)方法の一つ。日本が世界をリードしている分野の一つ。
・そこには日本人の中に人はサルから進化したという概念が無理なく同居できるから(一方...続きを読むの西洋では進化論的考え方がキリスト教と相容れず、霊長類学が発展してしなかった)
・現在ではよく知られるサルの個体ごとに名付けて観察する手法は日本で確立した(ジャパニーズメソッド)
・ちなみに先進国で身近に霊長類が存在している国は日本(ニホンザル)のみ。サルの主な生息地はアジア、南アメリカ、アフリカである。
・ゴリラ社会は家族社会で、勝ち負けを作らず序列化もない。
・子供時代に遊ぶ時間の長い生物は認知力が高い。
・同性愛行動はゴリラにも見られ、これも認知が高い生物(特にオス)で多く見られる。
・サル社会は家族社会でなくコミュニティ社会で、明確なヒエラルキーがあり、優劣がある。
・ヒトは家族社会とコミュニティ社会両方を形成し、(利害が相反する社会の)どちらにも所属する唯一の生物である。
・オスメス間の性的関係を知るのにオスの睾丸の大きさがあるコミュニティ社会のチンパンジーは乱行社会のため精子競争をするため睾丸が大きくなる。一方ゴリラは母系社会(オス1と血縁関係のある複数のメス)でどのオスの子か明らかなため睾丸は小さい。ヒトはその中間くらいの大きさである。そのため緩い乱行社会であることが示唆される。
・ヒトの共同集団には段階がある。15人前後の共鳴集団(他にはスポーツのチームや部署)、50人まで(クラスや会社)、そして150人(マジックナンバー)の集団。お互いに顔や名前が一致する関係性はこのあたりまで。
・これ以上の集団を作る過程で言語が生まれた?
・ヒトは本来家族集団(お互いに身内を優先するえこひいき集団)に所属しながら、コミュニティ集団(平等や互酬性を基本とする)に所属している。
・家族集団(類人猿的)は食を分け合うことを基本にしており、お互いに関係性を作り、煩わしくもある反面、そこへ所属していることは喜びや満足に繋がっている。
・一方コミュニティ集団(サル的)は競争的な社会で集団に安定性はない。現在人間は個人の自由と引き換えに"サル化している"と筆者は考えている。(個人の利益と効率を優先する社会)
・人間の社会性とは…奉仕の精神(家族的)、互酬性(コミュニティ的)、そして帰属意識である。

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Posted by ブクログ 2017年10月04日

相手が何をしたいのか
相手が今何をしてほしいと思っているのか
自分が何を望まれているのかを
汲み取り、いま自分はどういう態度をとるべきかを
その場の状況に応じて応える。
巷にあふれかえっている
どこやらのビジネス書に書かれているような言葉ですが…
この察知能力をゴリラたちが持ち合わせている
いや、ゴ...続きを読むリラたちにこそ
私たち今の人間たちは学ぶべきではないか
というのが、この本で山際さんが伝えたいことです

実際にゴリラたちが暮らしている「現場」の
野山に分け入って徹底したフィールドワークをしてこられた
山際教授だからこそ、伝えたいメッセージが
そこかしこにちりばめられた一冊です

勝ち負けがなく、優劣をつけず、仲間たちの関係は対等平等なゴリラたち
もちろん、社会的に上手に遊ぶこともできるゴリラたち
我々ニンゲンが失いかけているモノを
楽しく、興味深く、考察できる一冊です

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Posted by ブクログ 2017年06月11日

猿は勝敗をつける。上下関係組織をもつそうです。それに対してゴリラは、勝敗を付けずに喧嘩してもお互いを理解して和解するそうです。組織も対等だそうです。

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Posted by ブクログ 2015年08月07日

 タイトルに異議ありw
 主にゴリラの社会について書かれている本である。
 人類の起源から分化しているサルやゴリラの社会を見れば、人の社会の起源も見られるのではないかという観点である。

 驚いたのは、酷く社会的な生き物であるゴリラのことだった。
 ゴリラには争いは無い。
 優劣をつけないのだ。
 ...続きを読む喧嘩が発生した場合、第三者のゴリラが登場し、互いに冷静になりなさいというように仲裁する。(サルの場合は強い方のサルに加勢し、強いサルの権力を保とうとするようだ)
 生殖行為は雌からの誘いからのみ発生する。
 女子からの誘いはセクシーであり、もう、男子は断れないらしい。
 そして男子だけの群れを作り、男色にふける事もある。
 まさか、生きている中で、ゴリラってセクシーなんだと思うことがあるとは思わなかった。

 ヒトは、サルとゴリラの中間地点くらいの位置にいるそうだ。
 ゴリラのような成熟した社会性を持つか、勝ち負けの判断で生きるサルのように生きるか、さて、となるんだけど、これはサル不利なんじゃ。この本にはサルについてほとんど書かれていないんだもの。

 けれども、進化の道から分かれた先輩のゴリラについていろいろ書かれている本を読むことは興味深く面白かった。

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Posted by ブクログ 2015年05月24日

共通の祖先であるヒト科の仲間であるゴリラの生態を知り、非ヒト科のサル等と比較することにより、ゴリラとサルとヒトの違い、特に家族・集団・上下関係さらにコミュニケーション行動に関してその違いを明らかにしてくれる本です。▼▼▼言語が人間の食料革命(運搬→肉食→火による調理→農耕牧畜)に伴って生まれたという...続きを読む説も面白い。▼ゴリラは群れの中で序列をつくらない。反対にヒト科ではない多くのサルは勝ち負けの世界をつくり、ヒエラルキーを構築。▼人間社会は、両方の部分を備えている。そして、ゴリラ的な性格から、加速的にサル社会化している。▼人間が人間らしさを保つために必要な家族をないがしろにして、個人主義が突き進んでいけば、社会は平等性を失っていくと想像できます。それは、優劣を行動原理とするサルの社会に似ています。▼人間は家族を重要視する生き物です。家族無しには生きられません。個人一人きりの存在には決してなりきれないのです。▼霊長学研究の創始者は今西錦司。1941年『生物の世界』;人間とは特別な存在ではなく、生物の中の一つの種に過ぎない。▼誰にも負けず、誰にも勝たないゴリラ社会。ゴリラは仲直りをするとき、対面してじっと顔を突き合わせるという解決方法をとります。「覗き込み行動」といいます。食べ物を共有し、共存と許容を仲間に示し合う。▼ゴリラのオスの同性愛行動は、人間に似ている。サル社会では起きない。▼ゴリラは父系社会、娘はひとりで群れを離れて一人オスか別の群れに移動する。人間社会に似ているが、人間社会は家族があって、複数の家族が共同体を作る。ゴリラの集団同士は非常に敵対的である点が異なる。▼人間は、家族と共同体の二つの集団に所属して暮らしています。しかし、現在、家族の崩壊ということがよく言われます。食事を共にする人たちである家族が変わろうとしています。個人が好きなときに好きなものを食べる時代に変わっています。サルは所属する集団に愛着は持ちません。▼「霊長類の共感力と人間特有の同情心」同情心とは相手の気持ちになり、痛みを分かち合う心です。共感以上の同情という感情を手に入れた人間は、次第に「向社会的行動」を起こすようになります。「相手のために何かをしてあげたい」という思いに基づく行動です。▼人間の社会性とはなにか。1)見返りのない奉仕をする。2)互酬性(お返しをする)3)帰属意識(家、職場)▼個人の利益と効率を優先するのは、サル的な序列社会。「人間が一人で生きることは、平等に生きることに結びつかない」は、危険な事実です。▼SNS等の通信革命の流れの中で、人間はどんどん自由になるでしょうが、同時にますます孤独になるでしょう。インターネットなどをきっかけに緩やかにつながることを目的とする集団は、サル的な序列社会となじみやすいものです。▼勝ち負けや上下関係のないゴリラの社会のルールがもともと人間にはあったはずです。フェイス・トゥ・フェイスの相手の顔を見ながらのコミュニケーションを大切にしてきました。人間の脳が許容できる集団の最大の人数は150人。

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Posted by ブクログ 2015年01月18日

食べ物の分配行動を生み出した「家族」は人間を人間たらしめる機能を持つ。ここでいう人間性とは向社会性。見返りの無い奉仕、もらったものは返す互酬性、帰属意識。こうしたものが家族と食卓を囲むことによって培われてきた。
「共食」から「個食」へと、現代社会は個人主義への道を歩み続ける。「サル的」な競争社会へと...続きを読む人間が変化することに警鐘を鳴らす。ゴリラ研究の第一人者がゴリラの家族社会から人間の本来の姿を示唆しようとする本。

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Posted by ブクログ 2014年11月27日

タイトルからもっと社会学的な本をイメージしていたのだが、良い意味で裏切られた。著者はアフリカでのゴリラ研究のフィールドワーク経験が豊富で(あのダイアン・フォッシーとも関わりがあったらしい)、それを元にした比較行動学的内容が9割を占め、より一層私好みの本であった。

著者の研究に基づいたゴリラの生態に...続きを読むついて詳しく述べ、また超序列社会のサルを引き合いに出しながら両者の違いを比較、そこから、最終章では、人間社会を優劣のない平和主義のゴリラとサル社会との中間くらいと位置づけ、サル化している、と警鐘を鳴らして締めくくられている。
ははあ、だからこのタイトルなのかと納得できたものの、個人的には、著者の研究によるゴリラ考察が単純に面白く、最終章はなくてもよかったのでは、と思ってしまった。

霊長類の生態に興味があればとても楽しめる一冊。

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Posted by ブクログ 2021年01月14日

サル化した現代社会の考察というよりゴリラの社会性を綴った本。著者の長年の研究を読みやすくサラッとまとめてます。
著者は序列社会のサル社会より平等なゴリラ社会のほうが過ごしやすいというスタンス。

暇つぶしにおすすめな一冊。

バローの惣菜パンを食べてる感じ。

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Posted by ブクログ 2020年12月22日

ゴリラ生態研究記! タイトルの内容は主に最終章

タイトルから人間社会について論じている本かと思いきや、そうではなく、その前段階として類人猿(ゴリラなどのサル)の社会を学び人間と比較することが人間社会の起源を検討する上で重要だとしています。

そのため、筆者のゴリラ研究での経験談が存分に語られていま...続きを読むす。

●印象的だったところ
・二十数年ぶりに合ったゴリラが筆者を覚えていて童心に返る行動をした

・人間社会はサルのような個人主義に向かっている
 サル社会は厳しい上下社会。個人主義の生活が家族やコミュニティからの束縛から離れて良いと思うかもしれないが、平等さは失われる。

・人間の技術がどんなに進歩しようとフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションは失われない。

・・格差社会の原因は個人主義の隆興によるものが根本的なものの可能性があるが、古代から人間社会の基礎となってきた家族や地域コミュニティがなぜ疎まれるようになってしまったのだろうかということについての著者の見解が知りたかったなと思いました。(そこは専門外なのかもしれませんが)

ワークライフバランスが今後発展して、「個人で」働いて「家族などのコミュニティ」での時間を大切にするとなっていったとき格差はどうなるのか?

そんなことを考えさせられました。

●余談
他の方も書いていますがもっといいタイトルが合ったと思います笑

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Posted by ブクログ 2020年03月20日

題名に反してゴリラの生態の説明がされている。そして猿と比較し、人間は猿の生態系よりゴリラのそれを真似するべきだと言っている。

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Posted by ブクログ 2014年11月11日

ゴリラ研究の第一人者がゴリラの家族社会から人間の本来の姿を示唆しようとする。
ゴリラは多くて10頭程度の雄を中心とする集団を作るがサルと異なり、集団内の序列はない。お互いに食べ物を分け合い、遊び、状況によっては同性愛などもある。コミュニケーションもサルのような上下関係の確認ではなく、お互いの目を見て...続きを読む、歌を歌うことでとっている。ここに著者は人間の言葉を獲得する以前の家族生活の原型を見ており、現在の人類の個人志向はおかしいとしている(これは、こじつけに思えてゴリラの話だけにすれば良かった)。

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