あらすじ
あの人はいい性格だ、うちのワンちゃんはおとなしい性格……。
日常的によく使う「性格」という言葉。しかし「では、性格とは何ですか?」と
聞かれると、実はうまく説明できない。
本書は、性格を科学するパーソナリティ心理学の専門家が、
最新の研究成果を踏まえて、5つの性格特性(ビッグファイブ)の組み合わせから、
人間の性格は、どうすればうまく表現できるのかをわかりやすく説明します。
サイコパス、グリット、神経症傾向……。よく話題にのぼる「性格用語」も
具体的に解説され、広くて深い人間の「性格の宇宙」への旅に招待します。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ビッグファイブを中心にしたパーソナリティ心理学の入門書。とてもよく書けてるので学生様にすすめたい。人格障害みたいなのとビッグファイブの相関とかも紹介してあって、ネトル先生のライン。
ビッグファイブとの相関の程度が示されているの以下。
自尊感情、主観的幸福感、楽観性、レジリエンス、心的外傷後成長、感謝、拡散的好奇心、特殊的好奇心、創造性、グリット、満足遅延、シャイネス、私的自意識、公的自意識、HSP (Hyper Sensitive Person)、先延ばし、自己愛、マキャベリアニズム、サイコパシー、身体的攻撃性、仮想的有能感。
Posted by ブクログ
ざっくりとパーソナリティ研究を把握するのに適している。文章は読みやすい。込み入った研究方法や研究成果の記述は少なく,読者が自分自身の日常に関連付けやすい。
日本文化(東アジア)で承認されている性格特性が研究において埋没している可能性の指摘あり。
Posted by ブクログ
一概にこの性格がよくてこの性格は悪いとは言えないことが書かれてあった。それぞれの性格でメリットデメリットがある。ただ自己愛、マキャベリアニズム、サイコパシー、身体的攻撃性、仮想的有能感は迷惑な性格として紹介されて、メリットはほぼ書かれていなかった。勤勉性のプラスはメリットは多く書かれていたが、デメリットはなぜか書かれていない。勤勉性のプラス要素が多い人は長生きな傾向としているが、本当なのか?(根拠が書かれてなくて信憑性に欠ける)どんな性格にもメリットデメリットがあることを紹介しているが、筆者の価値観には勤勉性のプラスにデメリットは感じていないのか、気になった。この本の評価が低めなのは謎である。筆者の決めつけがないところにモヤモヤやつまらなさを感じるからだろうか?読者は本のテーマからの筆者の価値観やズバッとした考えをもっと期待しているからかもしれないと思った。
Posted by ブクログ
パーソナリティ心理学専攻の教授による本。数々の性格のタイプ、心理テストの事例などから人の性格を分析している。
タイトルから導きだされる各種分析から、最終章では「社会に望まれるのはどんな人」というサブタイトルで、「多様性」について問題提起をしている。ここの内容がやや目から鱗だった。
試験の点数だけでなく多様性を持った人を集めるために面接も併用、という方法に対し「かえって均質化されたフィルターを通して多様性が失われるのでは」という指摘はもっともだと思えた。筆者は面接を全否定はしていない。結局のところ「評価基準」を面接官側がどう設定するかが重要。
面接の話だけではない。他者の異なる考え方をどれだけ理解できるか、許容できるかが人類の永遠のテーマであると再認識する本だ。