あらすじ
「小川真由美は素晴しい女優でしたが、“母親”としては失格でした。娘の私にしたこと、私の体験をすべてお話しします──」。
昭和を代表する大女優・小川真由美と、2011年に急逝した名優・細川俊之の一人娘として生を受けた著者だが、幼少時に両親が離婚してから、人生の歯車が狂い始めた。ドラマ『浮世絵 女ねずみ小僧』『アイフル大作戦』で人気を博し、映画『復讐するは我にあり』で日本アカデミー賞を受賞するなど大スターとして活躍した母・真由美は、私生活では奔放な男性遍歴を続け、育児には興味を示さず、娘に対して虐待やネグレクトを繰り返す。一週間も食事をさせず、放置されていたことさえあった。
著者は高校を中退し、母の仕事の手伝いをするようになる。しかし、真由美の奇行は止まらない。常軌を逸した浪費癖、さらには占いや風水、怪しげな宗教に凝り出し、付き人は次々と辞めいく。真由美の歪んだ愛情に翻弄される著者は、うつ病を患い、逃げるように母から遠ざかる。そして、真由美は「出家」し、芸能界から消えてしまう──。
「この本がきっかけになって、出来れば平穏無事なごく普通の親子関係を取り戻したい」
あまりに特異な環境で過ごした娘と母の40年の愛憎を、赤裸々な筆致で描いたドキュメント。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
作者は小川真由美の娘、小川雅代。
内容は大女優で世間知らずで人間的に問題のある小川真由美に振り回され続ける娘の半生。
もちろん、多少の恨み節は含まれているのだろうけど、大部分は本当のことなのだろう。
辺見マリが『しくじり先生』で自らの拝み屋に振り回された過去について懺悔してたけど、こちらは現在進行形。
しかも、小川真由美が今はまってるのも結構有名な霊能者(下ヨシ子)。
何より怖いのが、親子関係というしがらみの中で、今も完全に関係を絶ち切ることができてないこと。
なので最後もハッピーエンドではなく、著者は現在(2012年)も心身ともに苦しんでいるという、救われない結末。。
しかしよく「お金があっても幸せになれない」って言うけど、これ読むと本当にそれを実感した。
お金あっても変に使われたり、知り合いに裏切られたりすることを考えると、むしろお金なくても身近な人と楽しく暮らしてる方がよっぽど幸せだと感じた。
Posted by ブクログ
有名人の娘である大変さや、新興宗教や占いの恐ろしさも描けている一冊です。
そんな中、ネグレクトなどを受けた雅代さん
決まって言われる言葉は、たった一人の親なんだから
この風潮に苦しめられる人も少なくないと思う。