あらすじ
年収400万円台で4億円超の借金を背負う不動産投資家のサラリーマン、26年ぶりの高値に沸く株式市場、怪しげな仮想通貨に走る若者たち……歪んだ饗宴を演出している真犯人は野放図に溢れた日銀の緩和マネーだ。超エリートたちの欺瞞に満ちた金融政策の内実をすべて暴く! 朝日新聞でシェアハウス投資・スルガ銀行不正融資問題を取材する敏腕経済記者が、「実感なき好景気」を演出する詐欺的政策にメスを入れる。
●庶民を見下すホンネ丸出し。ひそかに外貨建て資産を購入。日銀エリートたちのゲスな実態。
●「ヒトラーが正しい金融政策をやっていた」。リフレ派審議委員の支離滅裂な言動。
●「ああ言えばこう言う」日銀総裁、「オオカミ少年」と化した物価目標達成、「東スポ」並みのハッタリ予測値……詐欺的な政策変更の連続。
●動機は「将来への不安感」。老後に希望がもてない現役世代がシェアハウス投資のカモにされた。
●住宅ローンを変動型金利で組んだ人は要注意! 大規模緩和が行き詰まった時、あなたの借金は膨れ上がる。
●日銀の巨額EFT買い入れで、日経平均は2000~3000円水増しされている。
●ユニクロ(ファーストリテイリング)の浮動株が日銀に買い占められる!? 日銀が大株主の有名企業リスト
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
さすが朝日記者レベルが高い アベノミクスの5年を総括
分かり易い 中立・誠実・正義感 好感が持てる
1.今回は「不安の不動産バブル」高齢化がキーワード
老後の不安・相続の不安が不動産投機を産んだ
人口減少時代に不動産は景気対策にならない
2.16年9月日銀総括検証の意義→説明は複雑怪奇へ
従来の主張の正当化
オーバーシュート型コミットメントへの転換 緩和の縮小
主導したのは企画担当雨宮正佳理事 事務方に主導権?
3.池尾和人慶応大学・立正大学
シートベルトを強く締めて下さい(1803)
Posted by ブクログ
今の経済について自分が感じている不安がそのまま書物になっている、そういう本だった。コロナ禍で政府や日銀の政策も話題にならなくなったが、おかしな経済政策による危機はすぐそこにある気がする。
Posted by ブクログ
金融緩和のために日銀が銀行が保有する国債を買い上げても、銀行は得た資金の多くを日銀の当座預金口座に預けているだけだった。その他の一部は、シェアハウス、田舎の木造アパート、都心の商業ビルの投機的資金として用いられた。
金融政策で緩やかなインフレを引き起こそうとするリフレ派は、昔も今も異端扱いされている。多くの経済学者やエコノミストは、行き過ぎたバブルの崩壊とその後の経済の長期低迷によって、結果としてデフレに陥ったと考える。少子高齢化や人口減少、デジタル化の社会構造の変化によって、成長が高くなりにくくなっている。デフレに陥らないためには、構造改革や規制緩和などを進めて労働生産性を高め、日本経済の実力そのものを高めることが欠かせない。
日銀がETFの買い入れを進めた結果、東証一部全体の時価総額に占める保有割合は4%近くだが、10%を超える企業は32社になっており、浮動株ベースでは20%を超える企業が21社あり、ファーストリテイリングは89%を占めている。