【感想・ネタバレ】仏教を読む-釈尊のさとり 親鸞の教え-のレビュー

あらすじ

仏教とはどんな教えか、それが親鸞聖人の念仏とどうかかわってくるのか、私たちの生き方にどのような意味があるのかという、素朴ではあるが深く本質的な問いに、一つひとつ平易に答えた仏教入門書。

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Posted by ブクログ

①釈迦の教え-仏になるとはどういうことか

・一般に宗教は、「神のことば」であることを根拠にして真理であるか否かを判断し、それにしたがうことが信仰とみなされている。仏教は「諦観」や「如実知見」というような現実直視の姿勢で、苦の現実に向きあい、その本当の原因や原因をとりのぞく方法を見つけようとした。

・私たちの苦悩の現実、迷いの原因は、外にあるわけでなく私の自己中心の心(=我執、煩悩)が作り出している。三毒(貪欲、瞋恚、愚痴)に基づいた世界はゆがんでいる。すなわち迷いの原因は内なる煩悩になる。

・では、内なる煩悩を取り除くにはどうすればよいか。自己中心の心は、私たちがものの本当の在り方に無知であり、事実を誤認して受け取っていることによって起こっている。では、ものの本当の在り方とは何か。それが「縁起」であり「無我」(すべてのものに実体がない)であり「無常」である。

・ものの在り方を知らないこと(=無明、無知、愚痴)によって、混乱の世界を引き起こしている。上記のような真理をしること、すなわちものの在り方を正しくみる力が「智慧」であり、悟りである。仏とはこれら智慧を得たもの、悟ったもののことである。

【宗派】
・釈迦は他人を悟りへ導くために、個々の理解力や性格、経験などに基づいて、真理を説くための方法を変えていた。
・種々の経典は、釈迦の話していた種々の内容を弟子たちが記憶に基づいて再現したもの。上記のようにいろいろな教え方があったため、いろいろな経典がうまれた。
・天台宗:「法華経」「華厳経」にもとづき、煩悩を断じるために長い困難な修行をおこなう。
・浄土真宗:「無量寿経」

【法然房源空】1133~1212
・「念仏往生」:どんな悪人でも念仏すれば浄土に生まれて仏になることができる

【親鸞聖人】1173/4/1(新暦 5/21)
・比叡山で20年間修業を重ねたが、仏教界は権力闘争に明け暮れているのみだった。
・29歳の時、法然の弟子となった。
・念仏の教えは、仏教の原則から外れるものとして仏教周波より強い非難が起こり、朝廷から念仏の禁止命令が出た(承元の法軟)。親鸞聖人は新潟に追放された。
・関東で念仏の教えを広め、結婚もした。
・顕浄土真実教行証文類:無量寿経の教えの真意を明らかにしたもの
??念仏が仏教の教えに反していないか??

・悟りを開くことは理想だが、ふつうに民衆では実行不可能である。そのような人々をどのように仏にしてゆくかが問題である。
【他力の仏教】
・民衆が仏になるに必要な要因(=仏因)を仏から与えられ、仏になるように育てられる。
・無量寿経では、すべての迷えるものをすくいとることを願う阿弥陀仏が、その願いの実現のために、救いの目的を凡夫にむけて完成された仏への道を書いている。
【自力の仏教】
・自分の努力で仏になってゆく
・ほとんどの宗派はこの教え

・上に書いたような仏教は、だれにでも実践できるものではない。仏教本来の趣旨は、すべての人々を差別なく救う、というもの。
・釈尊自身が無量寿経を説いたのは「凡夫に真実の利益を与えるためと言っている。

【無量寿経】
・極楽浄土を建立し、仏となって私たちを救うために働き続けている阿弥陀仏のことを説いている。
・法蔵という修行僧は、生けるものすべてを苦しみから救いたいと願い、長い思案の末、清らかな浄土を作ってそこにすべての人々を生まれさせることを誓った。長い間努力を重ね、浄土を西方に建設し、どのようなものでもそこに生まれさせる方法を完成し、みずからも阿弥陀仏となった。

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2024年07月07日

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