【感想・ネタバレ】呪文のレビュー

あらすじ

さびれゆく松保商店街に現れた若きカリスマ図領。クレーマーの撃退を手始めに、彼は商店街の生き残りを賭けた改革に着手した。廃業店舗には若い働き手を斡旋し、独自の融資制度を立ち上げ、自警団「未来系」が組織される。人々は、希望あふれる彼の言葉に熱狂したのだが、ある時「未来系」が暴走を始めて…。揺らぐ「正義」と、過激化する暴力。この街を支配しているのは誰なのか?いま、壮絶な闘いが幕を開ける!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

自分は役に立たない、自分はクズだという思い込みは多くの人が持っている。
図領の意見は最初は正しい。
ー理不尽なクレーマーに屈してはいけない。毅然として戦う。
その軌道が少しずつ逸れていく。
ークレーマーや人に迷惑をかける者は失格だ、クズだ。クズの使命は何か。積極的に前向きに死ぬことでこの世の中をよくすることだ。だから一人で死ぬのではなく、できるだけ多くのクズを「覚醒」させ集団自決する。クズ道とは死ぬことと見つけたり。
新興宗教のように人々を洗脳し、自分に邪魔な者、いらない者を排除しようとしていく図領や栗木田。日本の社会は、成功できない者を努力の足りないクズとして追い詰め、居場所をなくしているのではないか。図領の掲げる、居場所としての商店街という理想が皮肉に響く。

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2019年08月18日

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