あらすじ
結婚も子供も叶わぬ夢と諦めていた──あなたが現れるまでは。
マリエッタはローマの画廊で働く画家の卵。下肢が不自由なため車椅子に頼る生活だが、懸命な努力を重ね、ようやく自活できるようになったことに誇りをもっている。ところが、その生活が悪質なストーカーによって脅かされ、妹の身を案じた兄が親友で警備会社CEOのニコに助けを求めた。屈強な体に鋭いブルーの目。マリエッタはなぜか彼が近くにいるだけで脈が乱れた。しかも強引に説得され、ニコが所有する島にしばらく匿われることになってしまう。大富豪と二人きりの生活は案の定、波瀾に満ちた幕開けで……。
■気鋭の作家アンジェラ・ビッセルが『天使が去ったあの日から』に続いて贈る、しっとりと情緒豊かなロマンスをお楽しみください。頑張り屋のヒロインですが、こと恋愛になると、どうしても脚のことが気にかかり、臆病になりがちで……。
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Posted by ブクログ
良かったです。
若い頃の自動車事故で足が不自由になり、車いすで生活する女性マリエッタは画廊を経営し、自らも画家としての道を歩んでいます。苛酷な体験を持ち前の強さで乗り越えた彼女ですが、結婚や子どもを持つことについては諦めていました。
そんなある日、彼女にしつこくつきまとうストーカーが現れ、妹を心配した兄が親友のニコに彼女のボディーガードを依頼するのですが-。
二コもまた過去に妻を事件で失うという辛い経験を持つがゆえに、マリエッタは二コの心の闇や彼自身が背負い込む罪悪感といったものを的確に理解できます。
元から二人の間には激しく惹かれ合うものがあったのですから、マリエッタの身の安全を守るために二コの所有する島に二人きりで数日間過ごすとあれば、接近するのも当然という気がします。
ラスト、マリエッタだけでなく二コも彼女の深い理解と愛情に包まれて闇から解き放たれ、二人で幸せな家を築くことができて良かったです。