あらすじ
終末期の延命治療を望まない尊厳死を宣言する人が増えてきた一方で、終末期の苦しみを見かねた患者の家族の懇願を受けて安楽死に導いた医師が殺人罪で起訴される。あるいは自分の意識があるうちにと自死を選ぶ人もいる。
安楽死と尊厳死はどう違うのか? 尊厳死と自死はどう違うのか? 諸外国の状況は?
かつて日本でも数少ないホスピスを併設した病院を友人の医師と共につくり、多くの患者さんの生死に向き合ってきた伝説の名外科医であり、後期高齢者となった今も、公立の診療所で地域医療に務める著者が、安楽死と尊厳死を巡るさまざまな課題、当事者の葛藤などを、自らの死生観も含め、臨床の場にいた者でなければ書けない多様な視点から語り尽くす。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
P253
しかし見方によっては癌の末期や、脳卒中で植物状態になった患者を抱えた家族が、こんな状態では生きている甲斐がないから延命治療は止めて欲しい早く楽に死なせてやりたい、とねがうのと、廃人同然、身内が誰かもわからなくなった認知症患者は早く安楽死でもさせてくれたらと願うことは、大同小異ではないでしょうか?
この文章を書くことが、よく思いきったなと、感じた。
そのように家族は願い、医者にも伝え、確かにと熟慮の上、筋弛緩剤などを静注した医者が後で遺族にそんなこと言ってないと言われ裁判で有罪になる日本の制度は、早急に見直すべきものだとおもう。
このジャンルでは有名だと思う、宮下洋一氏とは違う観点だと思うが、苦しませて治る見込みがない人を、延命治療は、そういう時代ではないと思うので、Gotoとかより、先にすべきことではないかと思う。
自分自身が治らない病気を持っているため、他人事とは思えない…