あらすじ
スマートフォン、電子マネー、NFCの融合で新しい成長領域が生まれる。
コンビニや自販機では電子マネーで「ピッ」と支払う客が増加中。
Facebookはスマホの位置情報と連動するクーポンの配信を開始。
グーグルのAndroidは全世界で利用できるモバイル決済に対応。
「うちの会社は関係ない」では、1年後には取り残される。
本書は2011年7月に発行した『スマートマネー経済圏』に一部修正を加えた新版です。
変更点は、電子マネー関連の最新データを追加し、過去のデータを修正したこと、旧版発行後に明らかになったスマートマネー関連のニュースをふまえた記述を追加したこと、などです。
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Posted by ブクログ
スマートフォンの登場で、今後のマーケティングがどのように変化するかを展望した良書。
単純にPush→Pullではなく、顧客属性の捉え方が変わる点にフォーカスしているのがポイント。
スマートフォンの登場により、マーケティングにおける顧客グルーピングが大きく変わる。
①従来 : 性別、年齢、家族構成、購買情報
②今後 : 位置、時間、嗜好(Facebook等)、購買情報
②の情報は、①よりも「買う気のあるターゲット」にアプローチし易く、価値が高い。
例えば、①では「30代女性の自由が丘でのカフェ利用」という情報が、
②では「二子玉川-東京間を移動するケーキ好きの人の自由が丘でのカフェ利用(20時)」となり、
顧客をより意味のある形でグルーピングできるようになる。
(かつ、不用意な個人情報を持たない点も、①に比べ優位)
この世界で力を握るのは、「プラットフォーム」提供者。
Googleは②の取得に必要なAndroid端末を広め、Google+やGoogle Mapを展開、そして、
これらのAPIを公開し、どう組み合わせるか(マッシュアップ)を他社に委ねることでイノベーションを加速。
(Androidマーケットという課金の仕組みで、参加事業者の収益化もサポート)
つまり、Androidで利用者を集めることで、それに群がる他社を取り込み(様々なサービスが生まれ)、
より効率的に自社の収益(広告)を拡大することができる(=シェイピング戦略)。
Posted by ブクログ
2013年3月23日より、交通系電子マネーが物販を含め、相互利用できるようになる。
電子マネーをはじめとするスマートマネーの需要は益々増えていく事が想像される。
決済手段としては全体の1%も満たないが、マーケティングツールとしては時間、位置情報、購買履歴などの消費者行動から顧客分析には大いに期待できる。
スマートマネーのみならず、NFCを活用するビジネスをどう展開していくかはアイデア次第だろう。
Posted by ブクログ
この本を読むとお金の機能が劇的に進化し始めているのが感じられます。電子マネーに留まらない、「スマートマネー」の将来性が読み取れます。
コンパクトながらもマーケットやビジネス、サービス、制度、最新動向と、網羅的にポイントが押さえられており、堅すぎず砕けすぎず。電通と野村総研の共著だけあって中身のバランスが良いです。電子マネーに代表されるオンライン決済(一部O2O)について、この一冊で手っ取り早く理解できます。
NFC・ポイント・ID間決済・ライフログなどトレンドは一通り記述されているのですが、「スマートマネー」という単語以外の軸がなく、全体的にちょっと散漫な内容だった気もします。
Posted by ブクログ
"おサイフスマホ"的な話をよく聞くので、電子マネー知識のアップデイトのため一読。FeliCaを代表とする非接触IC型の仕組み、ビジネス展開に加え、今後の発展などが解説されている。
駅の改札、コンビニやタクシーの精算…まさに現代の印籠さながら。水戸黄門様もびっくりだ。昔観たドラえもんの世界。
チャージしたお金を現金化したり、スマホ同士でBUMPして飲み会代を友人に払ったり。法律の壁こそあるが、技術的には既に可能という。今後の生活シーンの変化が楽しみ!