【感想・ネタバレ】毒親サバイバルのレビュー

あらすじ

アルコール依存症の父親との顛末を描いた「酔うと化け物になる父がつらい」で
世に衝撃と共感をもたらした菊池真理子さんが
今度は毒親から生還した10人を取材してコミックにまとめました。

菊池さん自身も含めて登場する、有名無名の11人の人々が
親から受けた傷はみんな違います。

アルコール依存症の親、暴言と暴力の親、価値観を一方的に押し付ける親、
果てしなくお金をむしりとる親、そんな状況を見て見ぬふりする親……。
その体験談は赤裸々。

毒親に育てられた子どもたちにとっての最大の悲劇は、
「家族ってこんなもの」「これが当たり前」と思いながら育ち、
自分が悪い、自分がヘンだとの想いから逃れられないこと。
大人になってからは「連鎖」におびえること。

本書は、親と同じ道を選ばないために、全身、全力でサバイバルしていく11人のさまを、
リアルにコミック化した、コミックだからなしえた作品です。
本書が、傷を負って生きてきた人たちが、傷を負い続けないヒントとなりますように……。

【以下、はじめにより】

「どんな親でも子どもを愛してるんだから」 とか 「育ててくれた親に感謝しなよ」 とか
「親と不仲のヤツはヤバい」 とか 「親を捨てるなんて不孝者」 とかとか。
そんなバカなこと、言わない世の中にしたい。

本当は、愛で満ちた天国のような家ばかりになるのが理想だけど、それがムリなら。

あの子が大人になった時、あたり前のように、親から逃げるって選択ができる世の中に。
逃げてから、さらに傷つけられたりしない世の中に。

それが私たち元子どもの、できることかなと思います。

菊池真理子

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久しぶりに泣きました

どの話もとても共感できるものでした。
私は4年前にようやく母から逃げることができて一切の連絡を断ち、楽天的な夫のおかげで今は普通の楽しい日々を送れています。
が、時折まだ罪悪感を感じ「精神的にも落ち着いたしそろそろ母に連絡くらいしたほうがいいのかな…」と迷う瞬間があります。
でも本書を読んで「やっぱり連絡はやめよう!自分の幸せだけを考えよう!間違っていないんだ!繰り返してはいけないんだ!」と改めて思うことができ、危ない一歩の抑止力になりました。
周囲の人とは重い話題をすることもできないので、マンガでこうやって色んな方のお話を聞けて良かったです。

1
2018年09月08日

Posted by ブクログ

漫画でわかりやすく、すごい怖いこと書いてある。私も親は好きではないけど、よその家庭のやり方があるのを知ると強くなれるよね。よそのうちに遊びに行くことって大切なんだな、と今更思った 90

0
2025年04月15日

Posted by ブクログ

アルコール依存症の父親との顛末を描いた「酔うと化け物になる父がつらい」で世に衝撃と共感をもたらした菊池真理子さんが、今度は毒親から生還した10人を取材してコミックにまとめました。
「酔うと化け物になる父が辛い」の作者菊池真理子さんの家族は、父はアルコールと仕事、母は創価学会の活動にしか目が向いておらず、ろくに世話をされない真理子さんたちは父の世話をするだけの毎日を過ごしていた。
母の自死から、真理子さんは後ろ指指されないように明るく元気に表面をつくろって、心を閉ざして生きてきた。
父に似た大酒飲みでDVの彼氏と付き合う日々は、真理子さんにとって父に振り回される日々に似ていて、なぜか居心地が良かった。
だが彼氏との付き合いと明るく元気な表面をつくろって生きていくことに疲れ果てた真理子さんは、彼氏と別れてから押し殺していた父親に対する感情が吹き出して父親に怒りをぶつけたが、「家族は敬うもの。父親に怒りをぶつける自分はひどい娘だ」と自分の中の「普通」に真理子さんは苦しんだ。だが自分の体験談を作品にした際に取材したアルコール依存症セミナーの医師に話を聞いた真理子さんは、父がアルコール依存症であることと自分の家族が普通ではないことを知り、自分の中の「普通」から自由になれた。
ニセ健康情報を糾弾している朽木誠一郎さんの母は、父への不満から自分を医師にするように毎日勉強させ「人を収入で見下す価値観」を植え付けられた。友人の女の子からもらったプレゼントを勝手に母に燃やされた事件をきっかけに誠一郎さんは母親に反抗するようになったが、母と同じ人を見下すプライドの高いだけの人間になってしまった。彼女にフラれ、コラムのライターをするようになって自分を知り、社会の中で揉まれながら自分を育て直し母親の価値観から脱却することが出来た。
様々な場所で活動する朗読詩人成宮アイコさんは、おじいさんから暴力を受け続け「お前は家族の最下位だ」と言われながら育った。父親とおじいさんは連日喧嘩して、おばあちゃんと母親はアイコさんを庇い暴力を受けた。アイコさんはストレスでチック症になり、おじいさんとの喧嘩に嫌気が差した父親はアルコールに走り家出した。声をからかわれ人と話せなくなり学校にも通えなくなったアイコさんは、行き場のない感情をブログや詩で表現して朗読するようになった。憎んでいたおじいさんが亡くなっても憎しみは消えず苦しんだアイコさんは、アイコさんの友人が自死してから「共に生きていこう」というメッセージを詩に込めるようになった。
他にも、社会での境遇の不満を子供や妻の揚げ足取りにぶつける父親に苦しんだライター、パチンコ依存症の母の世話のために自己破産した会社員など様々な方の体験談が、この本で描かれている。
毒親の共通点は、何らかの依存症にはまっていたりモラハラやDVの常習犯で、歪んだ価値観を植え付け子供を支配する。毒親の支配を受ける子供は、家族という閉鎖的な空間で自分の家族が普通ではないことに気付くのが遅くなってしまう。毒親から脱却するには、植え付けられた歪んだ価値観を変えて自分を育て直していくことが必要。この本に登場する人たちは、虐待の世代間連鎖から脱却してサバイバルした人たち。毒親に苦しんだ人も読めば、希望が持てるノンフィクション漫画。

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2022年12月06日

Posted by ブクログ

毒親、使いどころがなかなか難しい言葉だけど、この漫画に出てくる方々は、恨みつらみやどろどろというよりも、さわやかで、読んで良かったと感じる。第2弾も作って欲しいな。

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2020年11月21日

Posted by ブクログ

毒親サバイバル
そのタイトルに 本当に心から
「生還してよかった」と言いたい​​​​​​​
この本に書かれている親子関係は
ほどんどの人には
信じられないくらい辛いものが多い
よくぞ生きてた と思う
毒親に絶望してる人に届くといいな

0
2020年07月28日

Posted by ブクログ

自分や周囲の人に向き合えなくて、子どもともちゃんと向き合わなかった親に育てられ人たちの体験談。

私はずっと生きるのが苦しかった。
家族の悪口なんて言ってはいけないと思っていた。
うちの家族が普通だと思っていた。
ここ数年友人が子育てをはじめて、「家族」について話す機会が多くなった。
そのなかで、うちの母は変だった、ということを知った。
今でも生きるのは苦しいし、つらい。
何もうまくいかなくて怖い。悔しい。
でも、「許さなくていい」この言葉で、ちょっと救われた。

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2019年02月07日

Posted by ブクログ

漫画だから読めた内容、その一言に尽きる。

加害者(親もしくは親族)に虐げられ苦しめられた被害者(子ども)の多さに驚き、その内容に胸が苦しくなる。涙も出る。
けれど経験を語ってくれた11人の毒親サバイバーのおかげで苦しんだのは、あるいは今も苦しんでいるのは自分一人では無いのだと知ることが出来る。そして知ることは救いになると、そう思えた。

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2024年08月10日

Posted by ブクログ

本読んで思い出したけど、
学校の母の日の詩で、多くの方が産んでくれて有難う的なこと書いてて、あれは13とか14くらいの子が本当に心からそう思って書いたのか今でも不思議。
自分にはどうにも不気味に感じられて。

最後の「こっちだよ」が良い。

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2020年11月05日

Posted by ブクログ

子供は家庭や学校という限られた空間が生きる世界の全てだから、異常を異常と気づけない。成長して自分の家は異常だと知ったとき、絶望するのだと思う。
幼少期に受けた心の傷は成人してもなかなか癒えるものではない。そんな中で過去の自分や家族を客観的に見つめ、これは普通じゃないと気づき、自分を変えようと努力する登場人物たちの前向きな姿勢に心を打たれた。

酒、タバコ、ギャンブルをしない、する人と結婚しないことがこうした家庭を生み出さないために私にできることかな。

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2020年03月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コミックエッセイ。筆者含め11ケース紹介されている。毒親とあるけど毒祖父母もあるんだな。まぁそこから守ってくれなかったってことで毒親なのか。これも虐待になると思えばほんとにたくさんの虐待家庭があると思う。私も父は毒親だと思っているし。まぁ今は年を取って丸くはなったけど。でもまだ不条理さは感じるし。ほんとやっぱ結婚したいなんて思わなかったもんな。家族しか知らない、そこしか居場所がない子供時代はほんとに大変だと思う。最後、信田さよ子さんも書いてるけど、依存症の人の多さ。子供との共依存が半端ない。まぁそうしなきゃ子供は生きていけなかったんだろうけど。コロナで騒いでる場合じゃないよなーとつくづく思う。

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2020年03月15日

Posted by ブクログ

本当にいろんな家庭があるんだなって。自分が想像する以上に。

自分が抱えてた家族コンプレックスとも、読みながら向き合う。
毒親とは言わないかもしれないけど、子供の頃は両親の言い合いが絶えなかった。ハタノさんちに少し似てるかなって思った。
自分自身が家庭を持つこととか想像できない。
でも、それでもいいんだよなあ。

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2020年01月18日

Posted by ブクログ

痛烈な読後感。
訴えるものが激しすぎて、ゆっくり、ゆっくりとしかすすめない。
子どもや思春期の学生にぜひ知って欲しいと思った。
満たされて生きている子には触れて欲しくない、と思う一方、届くべき人には届いて欲しいと痛切に願う本。

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2019年09月03日

Posted by ブクログ

毒親に翻弄される本人も苦しいけど、親自身も自分のことで精いっぱいだったり、承認欲求が強いのかなと思った。家がすべてと思わないで外の世界を知ることが大切。

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2019年06月07日

Posted by ブクログ

いずれもとても強烈な経験談、しかも子ども時代の経験談なのだが、あまり違和感なく入ってくるのは、丹念な取材に基づいた話だからではないかと思いました。

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2018年11月13日

Posted by ブクログ

あまりにも過激なものを見てしまうと、まだ自分はましなんかなって思ってしまう。

毒親は子どもを否定的な感情で操る親のことをいうってメンタリストのDaigo言ってた

親にももちろん何かしらの事情が沢山あって子どもにすがるしかなかったんかなって子どもながらに思ってたけど、大人に近づいてきてる今、ありえないなと思う。
あんなに小さくて、見てる世界も狭い子どもによくもまあすがったりボロカスな言葉ぶつけたりできるなあと。

絶対に生きるのが辛いみたいなことにはさせたくない。
だから私は教師になる。
子どもと密に関わる1人の大人として、子どもの唯一安心できる場所に私がなる。
子育てがしやすくて、お互いの体調や感情を見ながら育児や家事をしていってほしい。
日本はブラック企業化が問題視されてから大人がどんどん鬱で倒れてることが発覚してる。
その人たちの子どもはどうなるの?
鬱にはまだなってなくても疲れてたら子どもと関わる機会失うやん。
それやったら教師や保育士に預けたらいいって、どれだけそこもブラックかしてて給料も低いと思ってるの?
教材研究する時間なくて質の高い授業ができなかったり、そんなんあかんやんな。

どうしたら子どもたちが健やかに育っていくことができるのかを考えて遡っていくとどんどん悪いとこ出てきてほんまに大変。私1人の力じゃ到底変えれない。
だからせめて子どもを救いたい。

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2019年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

子どもは親を選べない。
親のことを嫌いになっていいんだよ。とある人に言われた時は、何か心の中の重たいものがフッと軽くなった気がした。

実際には一度や二度そんなことを言われても、毎日顔を合わせ、養ってくれている親の影響は大きなものなんだよなぁ…
本当はすぐに救ってあげられたら良いんだけど、なかなか難しい問題ですね。

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2018年10月29日

Posted by ブクログ

確かに、子どもは「うちの家族が普通」と思いがちなので、いろんな家族を知って、あれ?うちはおかしいかも?と気付くことから始まるのだろうと思った。

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

こんな家族もあるのかーと勉強になった。
自分がならないだけでなく、他者への理解を深める、周りの可哀想な人に手を差し伸べられるよう、知っておいて損はないと思う。

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2025年03月01日

Posted by ブクログ

 毒が薬になると思っている親もいるのかも知れない。しかし、子どもの人格・生き方を尊重することは絶対に忘れてはいけないことだと思う。
 さて、自分のこと‥。子育てが一段落し、自分も毒があったかもと振り返るこの頃。

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2025年01月17日

Posted by ブクログ

著者ほか10人の毒親のもとで育った子どもたちが大人になって一門の人になり、子どもの頃を振り返っている。それにしても、世のなか本当に信じられない親子関係があるものだ。
解説で信田さよ子さんが、文章だと耐えられないほど悲惨だが、漫画だとデフォルメされて滑稽ですらあるというようなことを言っているけど、まさしくそうであり、だからといって滑稽で済ましてはいけないと思わせるだけのものがあるように思う。また、信田さんは、11人の子どもたちのなかで男性が多いのも特徴と書いているけど、男の子ならではの家族に対する責任意識みたいなのが垣間見えて気の毒だった。一方で、かなり割り切って克服対象に位置づけて乗り越えているようにも思う。女の子は女の子で大変で、人間扱いされなかったり、ライバル扱いされたり、性の対象とみられたり……。血のつながりのとらえ方ってもっと希薄になったほうがいいと思わせる。

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2022年11月23日

Posted by ブクログ

人の家庭とうちは何か違うと思う感覚や、毒親家庭で育った方たちの親についての考え方が参考になりました。親のことは元カレだと思えばいいのよというセリフがとてもストンとしてよかったです。

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2021年04月22日

Posted by ブクログ

あの「酔うと化け物になる父が辛い」の著者がインタビュー形式でまとめた本。


こういう本読むたびに思うけど、「家族を大切にしないやつはだめだ」って声高に言う人って自分の経験が全てなのだろうな、と。たぶん、そういう人たちにとって思いもしないようなことが世の中にはたくさんあるのに気づかない。だからこの本とか読めばいいと思うホント。


サバイブしてきた人たちは「悪いところもあるように、良い家庭環境の人もいる」って当たり前のようにわかるのに、逆は無い(もしくは完全別世界だと他人事とされる)のが辛いよなあ、、。大事にするのはもちろん尊いことと同じように、それができない環境もあるのだと。


紹介されてたのは酒乱、夫婦仲悪い、暴力、金銭トラブルが多かったけど他にも問題はたくさんあるしね。うちも夫婦仲はすっごく良くて仲良しだし。あと、この手のテーマなら過保護系が少なかったのは意外。



担当編集(穏やか?な家庭育ち)が寄り添ってくれたことがなによりの、っていう作者の気持ちが凄いわかる。あっち側のひとに少しわかってもらえるだけで嬉しいのだと思う。でもやっぱ幸せな家庭に育った人って自己肯定感高めで天真爛漫に育つから羨ましいって思っちゃう気持ちもあるし、だからこそ憧れの気持ちがある。

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2018年11月05日

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