【感想・ネタバレ】成長と承継のための PEファンド活用の教科書のレビュー

あらすじ

PEファンドの仕組み、ディールの流れから、法務・契約上の留意点まで、
PEファンドの全体像や、投資実務の概要について紹介。

実務者のための 日本で一番やさしい解説書。

【本書の目次】

序 章 なぜプライベートエクイティ(PE)ファンドが注目されているのか

第1章 プライベートエクイティ・ファンドとは

第2章 PEファンドの戦略的活用法

第3章 ディール全体の流れと実務上のポイント

第4章 PE取引における法務・契約上の留意点

第5章 PEファンドの運営とビジネス

第6章 PEファンドの選び方

【主な読者対象】

・事業承継や、事業の成長に課題を持ちながらも、何らかの糸口を見付けたい企業経営者
・新たな事業機会としてPEファンドとの取り組みを考えている金融関係者
・PEファンドを取り巻く法務、会計、税務、経営コンサルティング関係者
・投資ファンド、M&Aなどについて学んでみたい若手ビジネスパーソン

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Posted by ブクログ

ネタバレ

副題の「その仕組み、ディールの流れから、法務・契約上の留意点まで。実務者向けの一番やさしい解説書」に期待して購入。著者は、レゾンパートナーズの波光氏と山田氏、森濱田の松下氏。松下氏は同学年(1982)、山田氏は1つ下の学年であることにビビる。

感想。期待通りの内容で、素晴らしい。

備忘録。
・ロールアップ戦略。PEファンドの投資後に、同業他社を追加買収する戦略。

・PEファンドを映画製作に例えると、黒子のプロデューサー。映画監督は投資先の社長、俳優は経営陣や従業員。プロデューサーであるPEファンドには、当該業界の経験値よりも、戦略立案力や統率力、推進力こそが求められる。

・事業再生ファンドの投資対象になり易い類系は、①売上悪化が一時的で収益改善が見込まれるケース、②売上の伸びは苦しくとも、コスト削減による収益改善が見込まれるケース、③本業には異変がないが、別事業の失敗により財務が逼迫したケース。いずれも適切に財務リストラをするのが王道。

・再生ファンドに限らず、広義のPEファンドが出資を検討しやすいのは、CFの安定性、しがらみの存在(ファンドが入ることで解決)、とか。

・PEファンドを活用しにくいのは、事業が小規模(投資金額が5〜10億を切るイメージ)、事業内容が俗人的、売り先や仕入先が特定の先に依存、大規模な設備投資が必要、特徴のない会社(真似が容易な事業)。

・ティーサー。買主候補を探すときに使う、社名が特定できない程度の企業情報。業種、エリア、売上と利益のサマリー。

・MOU(基本合意書)は、事前に当事者同士で合意した、買収スキーム、取引価格、スケジュール等の内容で作成。法的拘束力を持たせないのが一般的。口頭合意内容を見える化するのが目的。

・LBOローンの水準はEBITDAの5〜6倍か。エクイティ対ローンが1対2〜3程度になるケースが多いとの、著者コメント。

・売主の税務。売主が個人なら、よくあるSPCへの売却で、株式譲渡益に対して分離課税20%となるのが良さげ。売主が法人の場合はリキャップの組合せも考えた方がよいらしい。

・デューデリ時のマネジメントインタビューは、序盤でやればその後の資料検証のヒントになり、かつ買収後の経営体制構築に向けたヒントにもなる。

・デューデリ時の売主側の情報開示義務について。積極的な情報開示の義務は負わないが虚偽の情報開示はダメ、という消極的な開示義務は負うモノらしい。また、売主が開示した情報をもとに買主において一定の認識が形成され、その後実際の状況が当該認識と大幅に乖離することが明らかになった場合は、売主が買主の認識を是正する義務を負う、という裁判例あり。

・対象会社が非上場企業の場合、財務諸表は税務申告を目的にしており、GAAPに基づいた正確な収益力を示すものではないと考えた方が良い。デューデリ時には、収益や費用の認識基準、引当金(含む退休)が正しく計上されているか、経過勘定の処理が正しいか、とかがポイント。

・正常収益力分析、プロフォーマー調整、スタンドアローンイシュー。

・デューデリ対象期間は3年が一般的。最長でも5年(法人税の更生の請求期間に合わせる)。

・法務面のデューデリ時には、許認可は当然だが、労務関連法や個人情報保護法、下請法とかも、注意が必要。未払給与の調査も。

・セラーズデューデリというのもある。

・スクイーズアウトの手法。従来の全部取得条項付株式を利用する方法から、株式併合へ。

・MOM条項。マイノリティーオブマジョルティ。一段階目の公開買付時に、対象者の過半数が賛同しているか。

・リバースブレイクアップフィー。確かに。

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2020年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

PEファンド。興味あったこともありとても面白い。
q&a豊富でとても丁寧真摯に語られており良著

メモ
・PEファンドの活動
 ファンド組成→投資実行→経営参画と課題解決→投資回収

・本質的な機能と特長
  大規模な資本提供(リスクマネーの提供機能)
  アドバイザーでなく当事者(事業成長の推進機能)
  ガバナンスの徹底(会社の断捨離機能)
  事業シナジーの創出(業界再編の触媒機能)
・バイアウト投資 経営権を取得する大型出資 出資比率51%以上
 グロース投資 経営権を取得しない成長のための大型出資 出資比率20-40%

・創業から成長 ベンチャーキャピタル
 成長から成熟 PEファンド
 衰退     再生ファンド

・PEファンドに求められるもの
  時代の先を読む事業の戦略立案力
  人材の能力を見抜き適切なチームを組成する統率力
  事業の方向性について監督とともに導いていく推進力

・PEファンド活用機会
  事業承継 
  資本再構築
  事業再生
  事業成長
  業界再編

・事業会社とPEファンドの相違点
  投資目的と独立性 PEファンドは単独企業としての色を継続でき独立性高い
  企業価値向上 PEファンドは単独事業としての企業価値向上
  投資期間 PEファンドは5年ほどの中期
  インセンティブ PEファンドは事業成長による大胆なプラン
  情報漏洩リスク PEファンドの方がリスク低い

⭐︎取り組みやすい会社の特色
  市場の成長性とシェア
  競争優位性、ブランド
  強力な経営陣
  キャッシュフローの安定性
  しがらみの存在
  業界再編の必要性
  株価が割安な上場企業

・取り組み困難な会社の特色
  小規模な事業
  事業の属人性
  特定の得意先、仕入れ先
  大きなバランスシートが必要になる事業
  特徴のない会社
  社会性(軍需、風俗、反社)
  株価が割高な上場企業

・意向表明書
  買収意向提示。買収スキーム、買収条件など基本条件記載

・基本合意書
  基本条件合意
   取引内容、独占交渉権、DD協力、守秘義務、法的拘束力

・バリューアップ PMI
  100日プラン作成 KPI設定
  マネジメント補強
  マネジメントへのインセンティブ設計 金銭報酬、株式、ストックオプション
  ロールアップ戦略
  管理体制構築

・コントロールプレミアム
  過半を超えると支配権が得られるので、バリュエーションに30-50%プレミアムが上乗せされる部分

・PE案件のローン水準 EBITDAの5-6倍

・DDプロセス
  依頼資料リスト送付、初期情報開示、VDR開設
   財務税務、法務、ビジネス
  QAセッション、インタビューセッション
  マネジメントプレゼン、マネジメントインタビュー
  中間報告、最終報告

・PEファンドに確認すべき事項
  取引詳細 価格、契約など
  投資戦略と事業計画 前提認識、戦略、計画、インセンティブ
  ファンドポリシー、責任者
  過去実績
  投資家 背後にいる投資家

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2025年03月09日

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