あらすじ
『注文の多い料理店』『風の又三郎』『雨ニモマケズ』『銀河鉄道の夜』……。あの名作たちが教える「人生の気づき」とは?賢治にとって「幸せ」とは何だったのか?波乱の生涯を追い、作品の本質をピンポイントで解説。その全てが一冊でわかる、再入門の書。
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Posted by ブクログ
宮沢賢治に関する作家論や作品論は膨大かつ難解なものが多いという印象を受けます。
本書は、「ほんとうの幸い」や「生と死」など賢治研究で頻繁に取り上げられるテーマを平易な語り口で解説しているため、私のような初学者であっても読んでいて息切れすることなく楽しむことができました。読んでいると、国語の教科書に掲載されているような賢治作品の他にもいろいろと接してみたくなります。個人的に「土神ときつね」が気になりました。
あくまでも概論なので気になる作品に関しては、実際に自ら手にとり数ある研究を参照しながら少しずつ深めていく必要がありそうです。
「銀河鉄道の夜」に関する章で、「永久の未完成これ完成」であるという賢治のことばが引用されていましたが、この「未完成」であることの「曖昧さ」(一般的に悪く言うと青臭さ)が多くの思想家や評論家を惹きつける渦のようなものなのかもしれませんね。
Posted by ブクログ
小学生の時、国語で「雨ニモマケズ」を全文暗記するテストがありました。
当時は覚えることに必死で、意味まで深く考える余裕はありませんでしたが、改めて読み返すと素晴らしい詩です。
米津玄師、宇多田ヒカル、宮崎駿。
名だたる方々の作品にも影響を与えていると公言しているのも納得です。特に心に残った文を抜粋します。
「慾ハナク 決シテ瞋ラズイツモシヅカニワラッテヰル」
「アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニ入レズニ」
物事を客観的に見て、損得や好き嫌いではなく、「本当に正しいことは何か」を考え、感情に振り回されない心を理想とする。
「東ニ病気ノコドモアレバ 行ッテ看病シテヤリ」
困っている人のもとへ、自分から足を運ぶ。
「ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズクニモサレズ」
褒められなくても認められなくても自分の大切にしていることをやる。
「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」
「私はもうそういう人間だ」と言っているのではなく、「まだなれていない。でも、そうありたい」という謙虚な決意で締めくくられています。
宮沢賢治の目指した人物像。私も少しでも近づきたいです。