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Posted by ブクログ
東京パラリンピック開催期間中に読む。
テレビではダイバーシティの実現に感化されているのに、本作では簡単に解決できない超高齢者問題をバトルロワイヤルで減らすというブラックユーモアに思考を巡らすという、ある意味では『考えるきっかけ』週間であった。
高齢者が増えすぎた地区では、年寄り同士の殺し合いをするよう政府通達がでる。武器はヤクザが高価で売り、地区外への逃亡や若い身内の借り出しはNG。
「この国の優しさがこんな事態を招いた」障害者はかわいそうだからと途中で法改正。考えの甘い政府。
「アチチチ。こんなに血が熱いと思わなかった」
ありえないのに現実味を感じる。
読みおわって思ったのは「年寄り同士が殺し合いをしてくれたら、簡単に解決するのに」という人任せな読者と登場する高齢者以外の人たちの存在。こんな極端な事ができないのなら、何か政策を考えないといけないのだと考えさせる作品だった。
Posted by ブクログ
「長生きは罪である」と法制度が出来「処刑」を宣告され、しかも「70歳以上老人同士のバトルで」施行というブラックユーモア小説。
いただけるか、いただけないか読んでみました。
ブラック過ぎて、のけぞりましたがほんとうのこともたくさんあり、笑えて、うなずいて、しかし、ちょっぴりもの悲しくなりました。いえ、すさまじい殺し合いの闘争がではありません。それは笑ってしまえばいいフィクションです。
帯にある「後期高齢者医療制度という老人いじめ政策を予見した小説」ではあるような、でもそれを「いじめ」と取るかどうか、むしろそれを「すすめないとこうなる小説」のようです。
政府の作る制度は必ず裏がある(かもしれません)ので手放しで賛成するのもなんですが、負債多い日本の老人人口爆発によってかかってくる医療費増をどうするか、なんらか方策を講じないと永く生きていられなくなりますよ、ということでしょうか。
長寿が嬉しいのかどうか、寿命とはなんぞや。でも、102歳で元気に鉛の玉を投げている(お昼のTV)前向き男性を見ていると、目的をもって元気で、長生きしたいなーと思うし、やっぱり勝手だわね。
ということでいただきましたこの小説。