【感想・ネタバレ】抱擁/この世でいちばん冴えたやりかたのレビュー

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Posted by ブクログ 2019年02月26日

ずいぶん以前に読んで好きだった『遊動亭円木』の辻原さんを久しぶりに読んでみようかと。
ただ、私にとって辻原さんは当たり外れの大きな作家さん。で、これは「やや、外れ」という印象です。
合本と言うのでしょうか、中編『抱擁』と短編集『この世でいちばん冴えたやりかた』(旧題『約束よ』)が1冊にまとめられた文...続きを読む庫本です。どちらも”この世ならぬ”という雰囲気と匂い立つようなエロティシズムがあり、また、文章的にも流石と思わせるのですが、ストーリーが私に合わないのでしょうね。
ちなみに『抱擁』はヘンリー・ジェームスの『ぬじの回転』のパスティーシュ作品。二・二六事件を背景に侯爵邸の小間使いと5歳の令嬢・緑子の異様な事件を描いたものですが、何せ本家の『ぬじの回転』を未読なもので、どうパスティーシュされているのか判りません。
『この世でいちばん冴えたやりかた』には『遊動亭円木』のサイドストーリが3作と、若き日に中国貿易に携わった辻原さんの経験を生かした、ちょっと中島敦を思わせる(ずっとエロティックですが)中国の奇譚3作が収録されています。

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