【感想・ネタバレ】三日だけの花嫁【ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊版】のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年08月29日

とても面白かったです。
読む前にブログでも紹介したんだけど、今、ハマッて見ている韓流時代劇「7日の王妃」を彷彿とさせるタイトルに、ひとめで惹かれました。
タイトルから想像する限り、「悲劇の片想い」がイメージされます。
早速、取り寄せて読んでみました。
正直、第一印象というか少し読んだときの感想は、期...続きを読む待ハズレ。オビには「最高に可愛い〝思い違い〟」と書いてありますが、これって、可愛いというよりは、ただ思い込みが強くて自分勝手なだけでは、、と思えたんです。

ヒロインは四年間、ずっと一緒に働いてきた上司のジャックが好きで、いわゆる片想い。
ボスも含めた職場の仲間たちと出かけた打ち上げの食事で、事故に巻き込まれて頭を打ってしまった。それが元で記憶が混乱し、事故前まで夢想していた「私はボスの愛妻」という空想を現実と取り違えてしまったんですね。
事故そのものは偶発的なもので、ヒロインも巻き込まれただけの犠牲者です。だから、記憶と夢を混同してしまったのも仕方はないと思います。
ただ、必至で訂正して現実をヒロインに認識させようとするジャックを見ていると、ちょっと気の毒に思えてきます。
これを「可愛い」とは言えないだろう、「夫」と思いこまれた彼にとっては傍迷惑でしかないのではと読みながら、思ってしまいました。
まだジャックが彼女をひそかに好きで、付き合いたいと思っていたとかいうのならともかく、この時点で、ヒーローはヒロインをあまり女性としても意識していない。
言うなら、この出来事がきっかけで意識するようになるわけで。
こういうところが、最初は何だかなーと、共感できない理由でした。

ところが。
ヒロインの思い込みは予想外に早い時点で正され、彼女は正気を取り戻します。
ここからが良かった。
元々、良識的で慎み深い女性ですから、当然、元に戻れば、記憶を混同していたときのことを恥ずかしく思うわけです。
そんな彼女とジャックの絡み、接近したかと思えばまたすれ違うという二人の心が読んでいて、何とも、もどかしく切ない。
更に、記憶を取り戻してからのヒロインに対しては、むしろ読者として同じ女性として、同情と共感を覚えました。
ジャックは過去に結婚生活が破綻して、結婚や恋愛に対してトラウマを抱えています。そのせいで、自分がヒロインを好きだという気持ちも敢えて気づこうとせず、ヒロインが同じ職場にいては迷惑だというようなことまで言いだします。
これって、ちょっと酷くない?
冒頭ではジャックが気の毒でしたが、後半はヒロインの味方に-笑 なりました。
この辺り、読者の気もちをグッと惹きつけてそらさないのは、書き手の技量だと思います。
本当に読み応えがあり、意外な展開に最後まで一挙に読み終えました。
ありきたり-王道ロマンスばかりでは物足りないという方には、オススメの作品だと思います。
 

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