【感想・ネタバレ】誰もボクを見ていない なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのかのレビュー

あらすじ

「殺してでも金を借りてこい」。母親からの執拗な脅迫により、実の祖父母を殺害。金品を奪ったとして逮捕された当時17歳の少年。取調べで明らかになったのは、少年が過ごしてきたあまりにも過酷な環境だった。「判決はどうでもいい。自分のような子がいたら救ってあげてほしい。」。逮捕当初から取材にかかわる記者が、少年の犯した罪の実相に迫り、少年犯罪の背景にある闇を暴く渾身のノンフィクション。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2014年に起きた、17才少年の祖父母 強盗殺害事件についj書かれたルポ。

ルポを読むのは初めてだが、事実が多く書かれていることと、少年の手記が残されていること、そして事件や少年と接するにあたり、著者の過剰な意見や推測が書かれていないことを含め、読みやすくかつ心に残る一冊だった。

少年とわたしの年齢は2歳差。たった2歳、そして生まれ育った環境が違うだけで、わたしは幸福に生き、彼は生きることすら嫌になるような人生を送っている。そして15年の時を、孤独と共に刑務所で過ごす。

虐待ときくと、つい暴力を想像してしまうが、本書の少年が受けていたのは、主に精神的な虐待で、母親と少年が共依存な関係となるよう(意図的か無意識かは分からない)、ずっと母親にコントロールされていた。

こうした状態にある少年をみていると、なぜそうなってしまうのか、世界はもっと広く、そして母親から逃れ幸せに暮らせる人生があることを、どうして分からないのかと考えてしまう。でもそれは当然のことで、まず世界の広さなんて、教えられない限り分からないものだ。そしてそれを教えるのは、通常では親の役目なのだろうと思う。少年はそこを放棄されていたために、世界の広さや人間の多様さを知る機会がなかった。

小学五年生から教育を受けていないながらも、論理的思考力が人並み以上にあることに驚く。そのかわりに感情的な部分から何かを考えるのは困難なようだが、彼は学力ではない部分で頭が良い少年なんだろうな。こうした人間が大きな罪を犯してしまったこと、ほんとうに悲しい出来事であると思う。

この事件から言えるのは、これは単なる一家族、一親子の問題などではなく、社会やそのシステム、そしてそのシステムで生きるわたしたちの無関心さや、臆病な心、そして余裕のなさにあるのだと思う。明日からの自分が、世界をより良くしたいと願うだけではなく、自分の周りの小さな世界だけでもより良いものしていけるよう、小さくても一歩を行動できますように。彼の思いを無駄にすることなく、世界を変える、小さくても一つの台風となっていこう。

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2018年02月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前回読んだ西鉄バスジャック犯も17歳、こちらも17歳。どう捉えてたらいいのか…西鉄の方は親はしっかりしていて当人の問題と言えるがこちらは…小5から不明児童となり母親からの依存で食べる為に盗みや借金の無心なんでもこなすが見入りした金は母親が散々する。母親の恋人とラブホテルで暮らすが金がなくばれば敷地内に⛺️!妹も生まれて祖父母に借金を!出さなければ殺してでも!結局少年は殺害した。母親は殺してでもの部分は否定。苦しく気の毒でならない。彼の人生をこの短い字数では表せない。絶対に人生やり直せる!どうか読んで下さい

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2020年03月12日

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