あらすじ
著者は2000年から17年間、ヤフーのIR担当責任者として、成長し続ける企業「ヤフー」経営陣と株式市場の間を取り持ってきた。ヤフー成長の裏には、株式市場の代表である機関投資家、個人投資家、証券会社に所属するアナリストと継続的に対話してきた事実がある。本書では経営者との折衝、市場関係者とのやりとりなど、IR担当者が「質の良い対話」を求め、実現のための手立てを模索してきた模様を、ルポルタージュで迫る!
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Posted by ブクログ
非常に面白かった。
今までにないようなビジネスで、かつ、親会ソフトバンクとの密な関係のあるYahoo!ジャパンにてら機関投資家と常に対話をし続けてきた著者の本。
機関投資家や、セルサイド、つまり証券会社のアナリストへの丁寧な情報提供と、それによる市場の反応、質問や指摘といったフィードバック。このフィードバックを、無料のコンサルティングサービスとして社内、そして経営に伝えていく。戦略をうつす鏡として、機関投資家の声を使えるか。
Posted by ブクログ
・2018年7月なのでちょうど7年前に出た本
・当時ソフトバンクと米国ヤフーが8割保有する上場企業という特殊な会社も、内容としてはIRの本質に迫っており、普遍的に参考になる
・経営陣と著者(IR責任者)の市場に向き合う真摯さ
・IRから経営・事業部(事業管理)にフィードバックすることで、会社が客観的な経営視点や事業改善のヒント、競合他社や市場環境のインサイトを得ることができる、という実例
・「事業管理・経営とIRで、一貫した指標を用いてマネジメントすべき」という示唆
Posted by ブクログ
経営陣と株式市場(投資家等)の間に立つIR責任者が、情報漏えい事案、新規事業開始、イーアクセス買収、経営陣交替等の局面において、どのようなことを考えやり取りしてきたのか、リアルを体感できる書籍。ヤフーの将来性をかけて投資している投資家とのやりとりには今後の施策の検討に資するヒントが含まれていることもあり、そのコミュニケーションが非常に重要である。またヤフーはソフトバンクおよび米国ヤフーが大株主であり、ときには親子間取引に対する否定的な意見をあびることもあったという。こういった局面を乗り越えてきた著者が社長室長として君臨している間はヤフーも安泰なのではないかと考える。