あらすじ
全国で空き地・空き家が急増し、所有者不明の物件が増えています。その面積は、合計すると830km2と、九州の面積を超える広さに達します。しかもマイナス価値の「負動産」と化しているのが現状です。本書は、事例を交えながらその実態と発生理由、根本的な対策としてのまちづくり問題、新たなルール並びに土地の所有権放棄ルールの提案、そして所有してしまった場合の選択肢まで対処法をわかりやすく描いた1冊です。
[目次]
第1章 空き家・所有者不明土地の実態
1 空き家の実態と将来予測
2 空き地、所有者不明土地の実態と将来予測
3 所有者不明マンションの実態
第2章 現状の対策
1 空き家解体促進策と空家法
2 空き家の利活用促進策
3 空き家対策の新たな潮流─「近隣力」の活用
4 空き家ビジネスの最前線─「負動産」活用ビジネス
5 空き地、所有者不明土地対策
第3章 より根本的な対策1─まちづくりとの連動
1 点としての対応から面としての対応へ
2 コンパクトシティ政策
3 エリアマネジメント
第4章 より根本的な対策2─所有権の放棄ルール
1 解体費用事前徴収の仕組み
2 利用権設定の仕組み
3 所有権放棄ルールの必要性
4 所有者不明マンション対策
第5章 価値の残る不動産を持つために
1 所有者の責任とリスク
2 空き家の利活用、処分の可能性
3 今後の住まい選び─取得後の出口があるか
【著者】米山秀隆(よねやま・ひでたか)
富士通総研経済研究所 主席研究員。1986年、筑波大学第三学群社会工学類卒業。89年、筑波大学大学院経営・政策科学研究科修了。野村総合研究所、富士総合研究所を経て現職。専門は、住宅・土地政策、日本経済で、特に空き家問題に詳しい。主な著書に『限界マンション』『空き家急増の真実』(日本経済新聞出版社)などがある。
※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『捨てられる土地と家』(2018年7月20日 第1刷)に基づいて制作されました。
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Posted by ブクログ
全国的に増えている空き家・空き土地問題についての現状と対策について書かれた本。
千葉県佐倉市ユーカリが丘で取り組まれている「エリアマネジメント」はなるほどと思った。
また、沖縄県南城市の久高島では、土地が村落のものという「総有制」がとられているという。個人所有ではなく村の総有とすることで耕作放棄や所有者不明という問題が生じない。