あらすじ
私を娼婦扱いした残酷な人──まさか彼の子を身ごもるなんて。
タクシー運転手のケーラは、イタリアのホテル業界の大物、マッテオ・ヴァレンティの視察旅行に同道した。途中、天候が急変して車が立ち往生し、やむなく宿を探すが、見つかったのは唯一、小さなB&Bの屋根裏部屋だけだった。嘘でしょう……こんな狭い場所にセクシーな富豪と二人きり?互いの身の上話はやがて熱い囁きに変わり、気づけばケーラは純潔を差しだしていた。だが翌朝、彼は忽然と姿を消した──大金と命の芽をケーラに残して。10カ月後、出産と引き替えに職も住処も失った彼女は、恥を忍んでマッテオに連絡するが……。
■身分違いのマッテオの子を一夜で身ごもり、密かに出産したケーラ。身寄りも職もなく、追いつめられた彼女はマッテオを頼りますが、現れた彼の振る舞いはあまりにも冷たくて……。シャロン・ケンドリック得意の傲慢ヒーローの魅力を存分に味わえる一作です。
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Posted by ブクログ
面白かったです。
たまたま仕事でホテル視察に来た若き大富豪と、彼を案内する車の運転手を務めた女性。
本当に単なる「すれ違い」でしかないはずの偶然の出逢いが運命の出逢いになりました。
しかし、その背後には、たまたま激しい雪にクリスマスの夜、降りこめられ安宿の一室に二人きりで泊まるしかないという止むない状況に追い込まれたからでした。
出来心で女性運手と一夜を共にし、翌朝、枕元に大金だけを残して消えた男性。
たとえ彼の心の真実がどうあろうが、行いだけを見れば、思わず最低の行為だと思わざるを得ません。
女性側は、その一夜で妊娠した挙げ句、職も何もかも失い、出産後、どうにもならずに男性に連絡を取ったら、いきなり、どうして息子の存在を知らせなかっただのとヒロインを責める-これも最低。
結局、ヒロインの人柄に惹かれて彼女を愛していることに気づいてプロポーズなので、終わり除ければすべて良しとは思うのですが、もし彼女が妊娠していなければ、「一夜の過ち」で終わらせるつもりだったのか?
これも何か納得がゆかない。
このヒーローについては、あんまり良い印象がありません。面白いが、ハーレクインの王道かなと思いきや、ラスト-一旦は別れた二人がよりをもどす場面で、ヒロインが「二人で前に向かって進みたいなら、過去の憎しみを忘れる必要がある」と思い直すところでハッとしました。
愛があるから大丈夫と何でも「愛」で片づけるのではなく、ヒロインが明らかにヒーローに対して「過去の憎しみ」を抱いていることが判り、それを乗り越えてこその関係だと考えていることが判りました。ここがとてもリアリティがあって良いと感じます。
「一夜」をお金で片を付けようとしたこと等々、ヒーローの仕打ちは、確かにあまりもエゴが強すぎた。
そこに対して、ヒロインがきちんと自分の考えを持っていること、愛だけで許される問題ではないことを認識していたので、ホッとしました。
回りくどい感想になってしまいましたが-。