あらすじ
あなたを想って流す涙は、天使たちには見せられない。
ジュリアは秘書として、妻として、仕事で世界中を飛びまわる夫マックスを支え続けてきた。祝い事もせず、くる日もくる日も仕事に明け暮れて……。こんなの幸せじゃないと訴えても、夫は聞く耳を持たなかった。とうとう耐えきれずに家を出たあとで、身ごもっていることに気づいた。でも、子供はいらないと明言していた彼には打ち明けられない。1年後、ジュリアは独りで双子の赤ん坊を育てていたが、今でも本当はマックスが恋しくて、枕を濡らす夜があった。父を知らずに育つ娘たちの顔を見るたびに、悲しみで胸がつぶれる。そんな彼女の前に、ある日突然、怒りに満ちたマックスが現れた!
■主人公たちの心情や煩悶を丁寧にこまやかに描いた愛の復活ストーリーをお届けします。魅力的な登場人物に引き込まれ、ラストでは思わず涙ぐんでしまう、静かな感動を呼ぶ物語をお楽しみください。
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Posted by ブクログ
良かったです。
ふとしたすれ違いから、夫と暮らす家を出たジュリア。
しかし、別れた矢先、諦めていた妊娠が判明し-。
双子の娘を苦労して育てているジュリアの前に、怒りを露わにした夫マックスが現れる。
ジュリアは戻ってきて欲しいと告げる夫に、一つの条件を出す。それは、2週間、彼が一切の仕事を家庭に持ち込まないことだった。
二人ともに愛し合っていて、互いを大切に思っているにも拘わらず、すれ違いが起こる。リアルにもありがちな出来事が描かれている物語りです。
砂漠を舞台に繰り広げられる情熱的な恋も良いけれど、こういう、本当にありそうな夫婦の再生物語りも良いですね。
ただ、その分、どうしても物語りが平坦になりがちなので、もう少し何か劇的なエピソードか出来事があっても良かったのかな、という気がします。
ラストの方で、「ローズコテージ」を売って貰える交渉をしながらも、夫婦二人ともに相手を喜ばせたいと内緒にしている辺り、とても微笑ましく読みました。
この物語りで一番魅力を感じたのは、「泣きながら眠る夜には」のタイトルで、別れて再会するまでの空白の時間、毎晩、泣いていたのはヒロインだけでなくヒーローも同じだったという点でした。普通、恋物語で泣くのはヒロイン側だけのことが多い中、ヒーローも同じように相手を思って泣くというところがとても心に響きました。