【感想・ネタバレ】世界一高価な切手の物語 なぜ1セントの切手は950万ドルになったのかのレビュー

あらすじ

1856年、英領ギアナで暴動が起こり、本国から切手が届かないことを恐れ、急場しのぎに地元の新聞社である切手が印刷された。地元のみで使用され、そのまま忘れ去られたが、これがのちに1セント・マゼンタとして知られることになる切手であった。発行から17年後、ある少年が廃屋でこの切手を発見。以降、この冴えない見た目の切手の価値は、コレクターたちのあいだで跳ね上がっていく――。なぜ、どのようにして、その切手はとてつもない価値を有するに至ったのか? 世界に一枚しかないとされる切手と、それをめぐる人々の数奇な運命と情熱を描く、傑作ノンフィクション!

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Posted by ブクログ

史上最高額で取引された「1セント・マゼンタ」という世界に一枚しかない切手の物語。
発行は1856年の英領ギアナ。ここで起きた暴動のため、地元の新聞社が急遽発行した切手が、コレクターの手に渡るうちに徐々に価値を高めていく。切手コレクターの世界と彼らの情熱を紹介する。
小学生の頃、切手収集をしていた時期がある。友人達に誘われて始めたが、切手の価値がよく判らず、お金ばかり掛かる趣味で早々に諦めた。切手の価値は、業者の買取価格で決められており(そういう切手カタログが
あったように記憶している)、友人よりも価値の高い切手を入手するのが目的になってしまう。良い切手を集めるためにはお金が必要で、結局、資産家の子供だけが楽しめる趣味になっていたようだ。
この本を読むと、世界の切手コレクターがいかに凄いかがよく判る。世界で唯一のものを所持したい。そのためにはいくらお金を積んでも良いという人達が沢山いる。「1セント・マゼンタ」も見た目には冴えない切手で、もしその価値を知らない人が見たら「何これ?」という代物だ。
でもこの1枚の切手が辿った経歴や一流コレクターが所有した事などで、その価値を高めることになった。切手に限らず、コレクションというものは希少価値がものを言う。市販の日用品でも、有名人が使ったというだけで価値があがったりする。あまり馴染みのない切手コレクターの世界が垣間見えて、なかなか面白かった。
切手にはあまり興味が無かったが、たまたま手に取ったこの本で、コレクションの世界に少し興味が出てきた。老後の楽しみの一つとして、やってみても良いかなと思う。

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2018年10月10日

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