あらすじ
鬼、鵺、河童、一つ目入道……。誰もがよく知るあの妖怪は、じつは実在した生き物だった!? 遺された古文献を、古生物学の視点から“科学書”として読み解いてみると、サイエンスが輸入される以前の日本の科学の姿がほの見えるだけでなく、古来「怪異」とされてきたものたちの、まったく新しい顔があらわれる──。科学の徒が本気で挑む、スリリングすぎる知的遊戯!
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Posted by ブクログ
挑戦的なタイトルだが、中身は実は『手がかりが少なくて、解らない事は、あえて白黒つけない』真面目な学術的態度の本。
新書の文章量なのに、上手く古生物学の立ち位置、博物学との関係、妖怪の記述に見る
『当時の人なりの、できるだけ正確を期した書き方』
の分析などなど。
面白い話がぎっしり詰まっている。
ちなみにこれ読んだあと、東京化学同人の『イグノランス 無知こそ科学の原動力』を読んでいて、めっちゃ面白い読書体験ができた。コンビネーションの妙である。
Posted by ブクログ
読んでみたら、鵺=大型レッサーパンダ説の人にして荒俣宏妖怪探偵団の人の本でした。
面白くて読みやすいです。
オパール化した巻き貝が日本で月のおさがり(糞)と呼ばれていたとは初耳でした…。
Posted by ブクログ
X(旧Twitter)のタイムラインでたまたま見かけて面白そうだなと思って読んでみました。
鬼からツノについての考察、鵺の正体は巨大レッサーパンダ説、一つ目とゾウの関係など、古文献を材料として古生物学的見地から真剣に導き出される仮説。
とても面白かったです。
Posted by ブクログ
2016年、大阪大学総合学術博物館で開催された著者の講演会を聞きに、猛暑の中出かけた。が、会場が狭く予想を上回る観客が押し寄せたために、中に入れなかった。講演会が終わるのを待ち、展覧会の解説はなんとか聴くことができた。
「妖怪」を古生物学者が科学的見地から解明する。老若男女が興味を持つとても面白い視点だ。本書は、昔の人々が妖怪をどのようにみてきたかという民俗学的、歴史的な視点もあって、切り口が実に多様で、読み手を飽きさせない。読み物としての完成度も魅力のひとつだと思う。
小学生の頃の夏休みの自由研究ではものたりない、中学生になって何をしようか考えているそこの君に読んでほしい。