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鬼、鵺、河童、一つ目入道……。誰もがよく知るあの妖怪は、じつは実在した生き物だった!? 遺された古文献を、古生物学の視点から“科学書”として読み解いてみると、サイエンスが輸入される以前の日本の科学の姿がほの見えるだけでなく、古来「怪異」とされてきたものたちの、まったく新しい顔があらわれる──。科学の徒が本気で挑む、スリリングすぎる知的遊戯!
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Posted by ブクログ
妖怪や民話の類は、当時の人なりにわからない事象を理解しようとした足跡でもあり、ユーモアでもあると思う。 一欠片の真実が含まれているかもしれない浪漫と、わからないなりにわかろうと工夫した結果生まれた話の面白さ、この二つの魅力がある。 筆者は真面目に全力で遊ぶタイプの方のようだ。 本作では、古生物学者...続きを読むの視点から丁寧に可能性を拾いつつ荒唐無稽で夢のある仮説を披露している。 この点が、非常に面白かった。
古生物学の科学的見地から、妖怪のルーツを探る。 第1章 古生物学者、妖怪を見なおしてみる 第2章 古文書の「異獣・異類」と古生物 第3章 妖怪古生物学って役に立つの? 参考文献、図版の出典一覧有り。 古生物学的視点で、古い文献に記載された不可思議な生物や 怪異について、読み解き、その謎や正体について...続きを読む、探る。 ツノのある生物は、ほぼ草食。では何故、鬼にツノ? 『平家物語』や『源平盛衰記』に登場する、鵺の正体は? 一つ目の妖怪、竜骨、大蛇骨の正体は? 『信濃奇勝禄』を読み解き、特徴の詳細な記述から生物を考察。 『雲根志』『怪石志』から化石を考察。 なるほど~。 日本列島って広いし、大陸と繋がっていた太古もある。 ゾウの化石があれば、クジラの化石だってある。 化石や実物を見たこともない骨って、当時の人々からすれば、 わからないから、妖怪とか化け物の骨と考えてしまうかも。 遠い過去に渡ってきた大型のレッサーパンダが山奥深く棲み、 里に下りてきて、わけわかんないから妖怪?なんてことも、 もしかしてあるかもしれない。 現代だって、ある生物の絶滅が話題になることから、 遥か過去に存在し、時代を経て絶滅した生物もいるかも。 その妖怪の姿が詳細に記された古文書の数々や骨、化石の 正体を探る、江戸時代の本草学者や文化人たちのように、 現代の古生物学の科学的見地で探っていくのは、面白い。 更に、異文化の専門家も巻き込み、妖怪を掘る妙味。 「荒俣宏妖怪探偵団」の一員だけあって、 知的遊戯と嘯いても、ガチに本気な研究になっていますね~。
自分は歴史には明るくないが、 生物好きなので妖怪を昔の生き物の記録としてみるという発想には惹かれるものがあった。 恐らく歴史をもっと勉強し、でてきた書物について理解してから再度読むともっともっと面白く読むことができる一冊になるのだろうと思った
読みやすいけど、サブカル味のある本。 妖怪を実際の生物だと何にあたるか考えてみた、というのを生物学者か行っている。 読んでいると、実用性はあるのか?と感じてしまうのだけど、生物学の入り口としては面白い。 そして創作物を見る時に、例えば歯の形に注目する人もいる、ということ。歯の形で肉食性か草食性かわか...続きを読むるから。 創作する時に観察と勉強をするように肝に銘じられる一文であった。
面白かった!時々入る著者の考えや実生活も含めて笑。鬼のツノや鵺、一ツ目を古生物学の観点から考えている。今まで空想上のものは空想上のものとだけ結びつけていたから(東洋の単眼と西洋の単眼の製鉄による関連性的な)、現実的な分析は自分の中で新しく、面白い考え方だった。途中のマイナー妖怪の部分は読むのが遅くな...続きを読むったけど…。最後の、当時の科学では説明できず、不思議であっても曖昧ではないため、当時の分類に収まったもの。という部分が人と神様、動物と妖怪の微妙なすれ違いを感じてなんか良かった。
鬼、鵺、河童、一つ目入道…。誰もがよく知るあの妖怪は、じつは実在した生き物だった!?遺された古文献を、古生物学の視点から“科学書”として読み解いてみると、サイエンスが輸入される以前の日本の科学の姿がほの見えるだけでなく、古来「怪異」とされてきたものたちの、まったく新しい顔があらわれる―。科学の徒が本...続きを読む気で挑む、スリリングすぎる知的遊戯!(袖) タイトルの勝利。 実際に‘掘る‘わけではなく、文献を含めた史料や遺骨と呼ばれる資料から、考えられる推測を提示している。著者はあくまで一例と断っているが、なるほどと思わせる考察が読んでいて楽しい。 ただ、新しい考え方だけに、第三章はその意義の取り繕いに終始していて、退屈に感じてしまった。ぜひもっと一章を掘り下げてほしい。
鵺=レッサーパンダ説は吹いてしまった。 説だけでなく、それがSNSで拡散する過程で、勘違いしてアライグマのイラストにする人が出たり、レッサーパンダが大陸からの献上品として日本に入ってきたとかいうもっともらしい見解(たぶんデマ)が加わったりして、新たな「妖怪」が発生していくという話も興味深かった。
妖怪を具体的に古生物と比較することにより古生物学への興味をひこうとする本のよう。面白そうな書名だし掴みはいいんだけど残念ながら文章力と構想力が伴っていないよう。話があちこち飛んだりわかりにくい文章。もうちょっと何を言いたいかまとめてから書いてほしい。著者は監修的な立ち位置のほうがいいのかも。 なお、...続きを読む「掘る」といっても実際に発掘するというのではなく、深掘りする的な意味。
<目次> 第1章 古生物学者、妖怪を見なおしてみる 第2章 古文書の「異獣・異類」と古生物 第3章 妖怪古生物学って役に立つの? <内容> 第3章が一番言いたかったところだろうが、面白かったのは第1、2章。鬼や鵺などを紐解き、古生物学から斬っていく。一方で哺乳類は種類の違う歯が生えている一方...続きを読む、爬虫類などは同じ歯が全部だったりする、というのは知見だった。
古文書に出てくる妖怪が、未分類の動物だと考え、描写に対して真摯に現在の知識で種を推測する、という考え方が面白かった。個別の動物の議論は、私の知識と興味レベルが高くないせいで、読み流し気味だった
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古生物学者、妖怪を掘る 鵺の正体、鬼の真実
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荻野慎諧
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