【感想・ネタバレ】突然、僕は殺人犯にされたのレビュー

あらすじ

1999年、身に覚えのない事件の殺人犯だとネット上で書き込まれ、以降10年間に渡って誹謗中傷を受け続けたお笑い芸人のスマイリーキクチ。そんな顔の見えない中傷犯たち、そして警察と検察、すべてと闘い続けた10年間の記録が遂に文庫化。
ネットのトラブルに巻き込まれないための対策マニュアルも改訂版で完全収録。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

恐らく過去最大級のネット中傷の被害者スマイリーキクチさんによる、十年にわたる中傷との戦いの手記。正直に言えば私も、ネットでその情報に触れ、「そうなんだ。怖い」と思っていた時期がありました。積極的に中傷した人以外にも、「話半分で聞いているがために、ウラを取るまでもせず、その印象をもったままでいる」人も含めると、こういった事件の被害は中傷と言った「表に出てきている被害」以外にもあったんだろうなぁとか考えました。

本件については、痛快な大逆転が待っているわけでもありません。被害として立証することの難しさと、それでも苦闘してくれる人の頼もしさ、そして腑に落ちない終わり方をしながらも、それでも"後に続くかもしれない"人たちのために、大事な一歩を残したことが綴られています。

本作を読んだ後、作者の近況について調べてみました。ずっと作者を支えてきた"恋人"の方とは無事結婚できたようで。良かった。

0
2014年08月25日

Posted by ブクログ

副題にネット中傷被害を受けた10年間、とあります。
芸人のスマイリーキクチさんは、1999年、仕事が軌道にのりはじめ、テレビ番組に出演する機会が増えるようになったある日、突然、身に覚えのない殺人事件の犯人としてネットの中で誹謗中傷を受けることになりました。
本書のその、匿名の集団との戦いの記録です。

その殺人事件とは、全国でも大きく話題となった、1988年、東京都足立区で起きた集団強姦殺人事件。一人の女子高生が複数の少年たちに40日以上も監禁され、凄惨な暴行そ執拗に加えられ、無残にも命を奪われた事件。
加害者たちは未成年という理由で、少年法に守られ、重い刑罰を受けることなく、その刑罰の軽さに、その後の少年法が改正される世論が持ち上がった事件でもありました。

スマイリーキクチさんが犯人と間違われたのは、
東京都足立区出身で、犯人らが同世代だったこと、犯人の一人がスマイリーさんの本名と 似ていたこと、そしてスマイリーさん自身もヤンチャな青春時代を送っていたこと。

スマイリーさんは芸人だから、あたりがきついのは仕方がないのかもしれない。
けれど、素人でも同じ。
なんの身の覚えも無いことで、いきなり 誹謗中傷されて、噂は尾ひれをつけて一人歩きしはじめ、まるで事実のようになってしまう。見ず知らずの何人もから言葉の暴力を受けるけど、警察は「ネットを見なければいい」と言う。
こんな怖いことはない。

本の後ろに、そんな目にあってしまった時の対処法などが載っている。もちろん、10年間のスマイリーキクチさんの対応も参考になる。

0
2016年02月07日

「ノンフィクション」ランキング