副題にネット中傷被害を受けた10年間、とあります。
芸人のスマイリーキクチさんは、1999年、仕事が軌道にのりはじめ、テレビ番組に出演する機会が増えるようになったある日、突然、身に覚えのない殺人事件の犯人としてネットの中で誹謗中傷を受けることになりました。
本書のその、匿名の集団との戦いの記録です。
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その殺人事件とは、全国でも大きく話題となった、1988年、東京都足立区で起きた集団強姦殺人事件。一人の女子高生が複数の少年たちに40日以上も監禁され、凄惨な暴行そ執拗に加えられ、無残にも命を奪われた事件。
加害者たちは未成年という理由で、少年法に守られ、重い刑罰を受けることなく、その刑罰の軽さに、その後の少年法が改正される世論が持ち上がった事件でもありました。
スマイリーキクチさんが犯人と間違われたのは、
東京都足立区出身で、犯人らが同世代だったこと、犯人の一人がスマイリーさんの本名と 似ていたこと、そしてスマイリーさん自身もヤンチャな青春時代を送っていたこと。
スマイリーさんは芸人だから、あたりがきついのは仕方がないのかもしれない。
けれど、素人でも同じ。
なんの身の覚えも無いことで、いきなり 誹謗中傷されて、噂は尾ひれをつけて一人歩きしはじめ、まるで事実のようになってしまう。見ず知らずの何人もから言葉の暴力を受けるけど、警察は「ネットを見なければいい」と言う。
こんな怖いことはない。
本の後ろに、そんな目にあってしまった時の対処法などが載っている。もちろん、10年間のスマイリーキクチさんの対応も参考になる。