【感想・ネタバレ】夏の裁断のレビュー

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表紙の蝉が止まったガラス越し?に、裸足が見える写真が小説にマッチしていた。フラフラ傷ついていく千紘にハラハラしてが、千紘が居場所見つけてホッとした。時折関わる教授の言葉が鋭い。

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2019年10月09日

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区切りがないと、関係性に名前がないと、約束がないと、不安でいてもたっても居られない
自分に価値がある人間かどうかが分からないから、いつも謙遜してしまう
主人公ほどの過激な世界ではなくとも、多くの同世代の女性が感じたことのある葛藤や哀しみなのでは、と思い、胸がキュッと苦しくなった
漠然と幸せになりたいって思うけど、色々な幸せのかたちがあることを教えてくれる人は少ないし、自覚するのにもパワーが必要


____
初めて心から、幸せになりたい、と思った。
私は清野さんじゃない誰かと付き合って、正しい約束をして、そして、幸せになりたい。

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2023年06月18日

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柴田は本当に腹が立つ男で、厳しい制裁を受けてればいいなと思う

でもその他の男性と千紘の関係についてもモヤモヤする
過去のトラウマを乗り越えるために無意識にしてる行動かもしれないけど柴田と似たり寄ったりじゃないかと感じる所もあった

書き下ろし三篇があって良かった

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2023年01月22日

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文庫版を読んで途中で知ったが、
夏の裁断に続く3つの話は全てあとから文庫版で書き下ろされたものだった。
夏の裁断で終わっていたら、千紘のように煮え切らないまま過ごすことになったと思う。

正直、この本に出てくる登場人物皆に、なぜ?とか、どうして?なんでこの人はこんなことを言ったり、するの?って思う人も多々いると思うが、
実際、私自身も"付き合う"という縛りが嫌だ。と、言う人が好きで好きで仕方が無い時があった。

その時は、まさに恋は盲目。
その人に人格を否定されるような罵声をあびせられても、時に男らしくて心の芯に染み渡る優しさに、私を見捨てないで。私をそばにいさせて。と、なぜか縋りたくなる思いにさせる。
今となってしまえば、千紘の柴田に対する気持ちのように、"その時"を忘れてしまった気がする。

私が好きだったその人も、愛されたいし人に甘えたいけれど、人を傷つけ深く入ろうものには毒を吐く今思えば怖い人だった気もする。

けれど、同じように見えて同じでは無いのが、清野さんのような人だ。
傷つけるのが怖いから、あえて型はめをしない。

でも、やっぱり、女はそれが寂しいものである。
けれど、この2人は少しずつ自分たちの価値観を擦り合わせて認め合いながら、2人のふたりらしい時間を作っていくのだろうな。


読み終えて思ったのは、男の人によって女の人生や行き方は変わる。
けれど、それは男性側も当てはまるだろう。
千紘の正直な内心と裏腹な態度が人間らしくて好きだ。

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2020年09月11日

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旅行に鈍行で行く事になり、暇だから本でも読もうと手に取ったのがこの本でした。
直木賞受賞という安直な理由で購入したのですが、とてもタイプな本でした。
千紘の元教授の言葉には意味がたくさん込められていて、考えさせられました。

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2019年03月06日

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意味が欲しい。自分が一緒にいる意味が。
島本理生先生王道。過去に大人の男の人に虐げられ、助けてくれない母親をもったがために不安定で男の人に流されてゆく主人公。
正直、またかと思いつつも、変わりゆく主人公を見届けました。
良い春を迎え、最後まで読んで良かった。
そして、また手に取ってしまうんだろうな、島本理生先生の本。
救われていく様を見て、私自身も救われているのかも。

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2022年01月15日

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島本理生の本を読みたいな、と思い手に取った本。


全体的に暗く、かといって強く否定出来ないような恋愛の話。
タイトルの裁断は、作家の千紘が亡くなった祖父の家に住みつつ、祖父の遺した本を裁断し、データ化する「自炊」を行うこと。
本を生み出す側が自らの手で本を解体するという、自傷に例えたタイトルである。
柴田、王子、清野という男性と関わりつつ、最後は自分の過去と向き合っていく。


柴田のようなどうしようもない男を好きになる人は、私の友人を含めて多い気がする。
話を聞くのが上手く、簡単に距離を縮めて、気があるそぶりを見せつつ簡単に裏切るような人。
何も与えないけど、何も奪わない人、という千紘の言葉がぴったりだと思った。
(大事な20代の時間を搾取されているのでは、と本書の中で教授が言っていたが)
主人公の千紘は時折幼さがあり、20代前半くらいかと思っていたが、三十路近いことに驚いた。


ゆるゆると話が進んでいくので、苦手な人は苦手かも。合わない人は退屈すると思う。




「ーだめだとか、間違ってるってことはないよ。ただ、あなたはグレーなものに耐えられない人だったから。きっちり線を引いたり固定しないと不安でしょう。一秒後の未来だって、本当は保証なんてない。でも、あなたにそれを教えたら、生きていけないかもしれないって思ってたんだよ。」
→柴田のことを含め、千紘は定期的に大学時代の心理学の教授に相談しており、最後教授が千紘に投げかけた言葉。

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2020年10月02日

ネタバレ 購入済み

三冊目

島本理生作品は10年以上前に「リトルバイリトル」を読んで以来3冊目。いずれも好みではない。電子書籍化も少なかったのでずっと読んでこなかったが、直木賞受賞後、電子書籍化が増え、クーポンもあったので「ファーストラヴ」とこちらを読んでみた。「ファーストラヴ」の方が断然良かった。
特にこの夏の裁断は、何が言いたいのかよくわからない箇所があったり唐突に過去の回想が始まったりと読み辛く、作者の技術力や表現力の不足を感じる。
主人公の性的トラウマと母娘の信頼関係の破綻は、作者のお気に入りの設定なのか。
島本理生作品をすべて読んでいる訳ではないからわからないが、この設定にはもう飽きた。

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2020年10月12日

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