あらすじ
理学療法士のみなさん、患者さんとの会話がテレビや天気の話ばかりになっていませんか? 適切なリハビリを提供するには、患者さんの「ニーズ」を聞き出すコミュニケーションスキルが重要です。本書は、患者さんとのコミュニケーションに悩む口ベタな専門職のために、患者に寄り添う「聴き方」と「話し方」の技術を解説します。患者さんに寄り添い、心を支える療法士になるために、リハビリ現場の会話術を身に付けましょう!
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Posted by ブクログ
最近アドラー心理学について書かれた"幸せになる勇気","嫌われる勇気"を読み本書の内容がアドラー心理学的にはどうかと考えながら読みました。
本書には、口下手でも良い、傾聴する能力が重要であると書かれています。自分が口下手なので前向きになれたのと同時に、美容室での会話ではなく相手自身に気づきが得られるような会話ができるようになりたいと思いました。
コーチング型会話術のスキルとして
1.質問
2.傾聴
3.承認
が挙げられていますが、"承認"のところにひっかかりました。承認という言葉の響きから上から目線で、相手をコントロールし、自分の仕事上の都合を押し付ける目的の技術かなと初めは考えました。
また、承認のスキルとして
1.結果承認
2.行動承認
3.存在承認
の3つを紹介し、要はほめることとあります。これは患者さんをおだてて言うことを聞かせようということではないかと、疑いながら読みました。
しかし、最後まで読んだところで要旨として
・患者さんの、療法士への依存を避け、自立を促す。
・患者さんに寄り添い、信頼する。
と書かれています。これは、患者さんを支配するのとは反対で、自立を支援するという意味であり、むしろアドラーの”水辺に連れていく”という考え方に近いと感じました。
本書は療法士だけでなく、医療・介護スタッフに役立つ素晴らしい本だと思います。