あらすじ
コーヒー好きのフランス人は、どうしてお茶によそよそしいのだろう――
パリに暮らして三十年、フランス料理とワインをこよなく愛好する著者が
五感を通して積み重ねた、歴史と文化の街ならではの心躍る紅茶体験。
お茶とワイン、この二つの飲み物が持つ香りと味は、
人の顔や性格のように変化と個性に富んでいて少しも退屈しない
――「あとがき」より
〈目次より〉
チャールズ二世と紅茶/南蛮屏風と茶/マドレーヌか焼きパンか!/アブダビの紅茶/ティポットが語る十八世紀の優雅/お茶とワイン/マルコ・ポーロと茶と磁器/烏龍茶と石乳香/朝一番に飲むダージリン ほか
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Posted by ブクログ
タイトルを見て思った。どうしてパリと紅茶が関係あるのか。ロンドンなら分かるが、パリならやはりカフェオレだろう。著者が述べているように、フランスにおける紅茶の位置づけはかなり低い。紅茶は、気取った飲み物と書かれているので「うーん、そんなに気取った飲み物か」と思った。それは、ペットボトルや缶に入った紅茶を見慣れて、飲む機会の多い私には、ごく普通の飲み物の一種だと思う。しかし、歴史をたどるとその理由が分かる、19世紀のフランスのブルジョワが、イギリス流の紅茶を飲むようになってから、気取った飲み物と言うイメージが定着したそうだ。
もしかしたら、フランス人のイギリス人嫌いにも関係しているのかな。過去の歴史を見て、ナポレオン時代にしても、百年戦争にしても、互い敵同士であった時代が長いので、脈々とイギリスアレルギー、フランスアレルギーが受け継がれている気がしてならない。