【感想・ネタバレ】もう「はい」としか言えないのレビュー

あらすじ

浮気がばれて、パリへ逃げた。そこに悪夢が待っていた。
もう笑うしかない……松尾スズキ、衝撃の最新小説!

二年間の浮気が、キレイにばれた。別れたくない。二度目の結婚で、孤独な生活はこりごりだ。
妻の黒いヒールスリッパの鼻先に、海馬五郎は土下座するしかなかった……。
無条件降伏として、仕事場の解約と、毎日のセックスを、妻から宣言された。
性に淡白な海馬五郎は、追い詰められて、死すら望むものの、死ねるはずもなく、がんじがらめの日々を過ごしている。

半年ほど息苦しい生活を味わった頃、海馬五郎は、フランスのエドルアール・クレスト賞の受賞を知らされる。
「世界を代表する5人の自由人のための賞……?」
胡散臭いものだが、パリへの旅費と一週間の滞在費を支給してくれるらしい。
飛行機が嫌いで、外国人が怖い海馬五郎も、一週間は妻とのセックスを休めるというので、その誘いにのった。
これが悪夢の旅になったのである。

表題作『もう「はい」としか言えない』の他、海馬五郎の恥ずかしい少年時代をヴィヴィッドに描いた『神様ノイローゼ』をカップリング。
天才・松尾スズキのシュールでエンタテイメント精神にあふれる、まったく新しい小説世界へようこそ!


〈著者プロフィール〉
一九六二年、福岡県出身。
一九八八年に「大人計画」を旗揚げする。主宰として多数の作・演出・出演を務めるほか、エッセイや小説の執筆、映画監督など、その活躍は多岐にわたる。
一九九七年、岸田國士戯曲賞受賞。二〇〇一年、ゴールデン・アロー賞演劇賞受賞。二〇〇六年、小説『クワイエットルームにようこそ』が芥川賞にノミネート。二〇〇八年、映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の脚本で、日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞。二〇一〇年、小説『老人賭博』が芥川賞にノミネート。
二〇一八年、「大人計画」は三十周年を迎えた。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

芥川賞候補作を含む中編集。

候補作の「もう「はい」としかいえない」は冒頭の不倫の事実を妻から突き付けられるリアリティさからいきなり非現実的でシュールな海外での体験する落差が面白いです。
純文学的なテーマは死についてということなのでしょうが、母と穴についてのエピソードだけが浮いていたので、狙ったのかもしれないと思いました。
もう一つの「神様ノイローゼ」の方は肩の力を抜いて読める青春小説でした。

1
2018年07月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「もうはいとしか言えない」/松尾スズキ

今まであまり読んだことのないジャンル。
結局主人公は精神病みたいな感じだったのかな?

前半はひたすら奥さん怖いみたいな感じで、主人公ちょっとかわいそうだなぁって思ってた。
でも読み進めていくにつれてだんだんそうじゃなくて、
主人公が、どこか普通とは違うのかなと思い始めた。
で、その原因が後半で明らかになっていくのかなあと思っていたら幼少時代からどこか狂っていた。

猟奇殺人的な生々しいグロシーンは無いけど、所々出てくる主人公のぐちゃぐちゃな感情の書き方がすごくグロかった。
思春期の人間の感情ってこういうことなんだろうな。

どっかすっきりしない感じが若干残った

0
2022年02月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

松尾スズキの舞台みたいに、いろいろ混ぜこぜの世界が繰り広げられる。舞台もそうだが、この本も、わかんないなりに読み進めるうち、ストーリーはいつの間にかつながり、終わっていく。何かを投げ掛けられたんだけど、何なんだろ…と考えさせる。
「神様ノイローゼ」は、作者の自伝?みたいでおもしろい。私にも思い当たる部分がある。みんなそうなのかな。子どもってけっこういろいろ考えているのかもね。

0
2020年04月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現実的な話のようでシュールな話。
聖くんのキャラ好きだなー。笑
表題作は個人的に前半が好きでした。

2つ目の、神様ノイローゼも面白かった。
もー自意識捨てて笑っていこー涙

0
2019年02月23日

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