あらすじ
捜査官ウィルVS連続殺人犯(実父)!
「壮絶なラストまで、一気読みの迫力」北上次郎(本書解説より)
MWA賞、CWA賞ダブル受賞作家。〈ウィル・トレント〉シリーズ最高潮!
女子大学生の失踪事件が発生。特別捜査官ウィルはなぜか捜査から外され、忌まわしい事実を知らされる。40年以上前に凶悪な連続殺人事件を起こし、終身刑になった実の父親が仮釈放されているというのだ。やがて発見された女性の遺体には見るも無惨な拷問の痕があり、それはウィルの父親の手口と酷似していた――。1975年と現在、ふたつの事件が交錯するとき、戦慄の真実が浮かびあがる!
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Posted by ブクログ
このシリーズで一番面白かった。そろそろ読むのやめようかと思ってたけど、本書がすごかったし、最後のアンジーにゾクっとしたので、次も買わないと。
アンジー好きだわ。悪い女。
1970年代の2人の女性刑事の友情と活躍が最高に楽しかった。だからこそ、現代のあっけないラストに肩透かしだったけれど、その後のアンジー。凄いよアンジー。
キティがウィルがまともに育ったとか言っていたのが皮肉でいい。特に前作で本物の母親に育てられなかったことスネ倒した奴が犯人だったから、本当の親とは離れたことで今のウィルになったことのアンビバレント。
そして、ウィルを見守ってきた上司、ケアマネージャー、女性判事たち、みんな女性。あの時代をサバイバルしてきた人たち。強くて優しい。
ある意味、ウィルのハーレム展開なんだけど、男性読者はちっとも羨ましくないだろうねw
Posted by ブクログ
シリーズ第6弾。今作も迫力満点。誘拐事件とウィルの父親の出所という現在のパートと、40年前のアマンダとイヴリンの若かりし頃の捜査。その二つのパートからなる今作。その二つが徐々に交わっていくのだけれど現在のウィルの感情の動き、父親の影、なにかを隠されているという不信。それだけで面白いのに40年前のパートはもっと面白い。アマンダとイヴリンが今以上に女性差別が強くある時代に警察で働いているということ。恐怖に遭遇しながらもそこに向かっていく姿、少しでも男たちに認めさせようとする姿。その強さ。前作同様に女性の強さが存分に描かれている。この二つのパートのなかにはウィルの、アマンダたちの強く大きな感情がある。シリーズの集大成のような作品。謎解きの面白さとさらにその奥にあるウィルたちの想い。ウィルのこれまでが見えきた今作。そしてこれからが気になる。早く次作が読みたい。