あらすじ
グラナダの丘に今もその姿を残すアルハンブラ宮殿。アーヴィング(1783―1859)はアメリカ公使館書記官としてスペインに赴き、偶然の幸運からモーロ人の築いた城に滞在した。宮殿の華麗かつ荘厳な姿とそこに暮らした幻想的な日々が、処々に伝わるさまざまな物語を織りまぜて、詩情豊かに綴られる。(全2冊)
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Posted by ブクログ
アメリカ公使館書記官であるアーヴィングは1820年代にグラナダを訪れ、荒れ果てたアルハンブラ宮殿に滞在した。その日々を幻想的な伝承を織りまぜながら語った本。上巻は歴史や建物、グラナダでの暮らしにまつわるが多い。
アルハンブラ宮殿を築城した王アルハマールは、戦争で持ちこたえられないと判断した後、カスティーリャの君主であるフェルナンド聖王に帰服し主従関係を結んだ。つまりイスラム教の領主がキリスト教の領主に仕えた。意外なのは、キリスト教とイスラム教の領主が同盟や主従関係を結び十字旗と新月旗を並べて、共通の敵である他の領主と戦争するのは別に珍しくなかったということ。最初から延々と宗教間での争いをしていたと思っていたが、そうではないらしい。分かりやすい二元論は後からの解釈だった。
Posted by ブクログ
アルハンブラ宮殿に行くので読んでみた。
スペインの荒涼とした雰囲気がよく伝わってくる。
宮殿に関するたくさんの逸話が登場するのだが、彼が歴史に魅了されたオタクだっていうのがよくわかる。
フランス軍よくやった!!っていうのが一番の感想ですね。
アルハンブラ宮殿の挿絵が入っていて、実際この本を宮殿に持っていたので、「あぁ、ここがライオンの間かぁ」とか非常に旅のお供として活躍してくれました。
ただアルハンブラ宮殿を訪れても、その歴史を知っていないときっと面白さ半減どころではないだろうと思いました。
もし宮殿を見物に行くならこれを読んでみるのもいいでしょう。