あらすじ
「黒田左少将どのの猿楽の催しに貴公をお連れしたいのだが」。公儀目付役・稲生正英の言葉に多田文治郎は耳を疑った。家出娘の相談で稲生邸を訪れたのだが、その話が終わるや否や乞われたのは、大大名の催す祝儀能へ同道。幽玄の舞台に胸躍らせる文治郎だったが、晴れの舞台で彼が見たものとはいったい……? 瞠目の時代ミステリ、第二弾!
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Posted by ブクログ
1作目の猿島編とかべると明らかに見劣りする。師弟
の入れ替わりは容易に想像ができるし、淡々とインタビューしていったらたどり着いたという感じ。前作はまさに愛と怨みの苛烈さを理解できたが、本作は借金取りへの逆恨みと恋の縺れの私怨のみ。
文治郎はクセがなく好人物なのだが、ゆえに物語に起伏を生まないと感じた。世の名探偵が破天荒である意味がよく理解できる。トリックに江戸らしさがなかったのも残念なところ。この時代しか書けない人間関係やトリックを3作目には期待したい。