あらすじ
★朝日新聞、毎日新聞で報じられ、日本中が感動!「現役の看護師」でもある女性僧侶が、その波乱万丈の人生でみつけた「幸せに生きるコツ」
★「あれほど美しい死にざまを、看護師として見たことがなかった」ガンの夫を、息子2人とともに「自然死」で看取った感涙の体験記も収録!壮絶なエピソードの数々に、涙がとまらない!
医療と宗教、どちらのプロでもあり、数多くの看取りを経験してきた著者が「幸せな生き方」「幸せな最期」について初めて語った一冊。
読むごとに、将来への「憂い」が「希望」へと変わる!
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――― 「はじめに」より抜粋 ―――
夫をわが家で看取ってから、はや7年が経ちました。夫は当時62歳、「がん」でした。自宅で夫を看病した時期は、2人の息子の母親として、また病床にある夫の妻として、また現役の看護師として。
「ひとり3役」で駆け抜けた、人生でもっとも目まぐるしい、大変な時期でした。夫の死後、やがて僧侶となって「ひとり4役」に。
以降は、プロの看護師として、高野山真言宗の僧侶として、多くの方々に接してきました。
そのような活動を続けるうち、クリニックの患者さんたちから、今までになかったご相談を数多く受けるようになりました。
「妙憂(みょうゆう)さん、幸せな人生って、どんなものでしょうか?」
「幸せに生きるには、幸せに最期を迎えるには、どうしたらいいでしょうか?」
出家する前は、「どんな治療法がよいのか」「どの薬が効くのか」といった、西洋医学に関するご相談がほとんどだったのに……。
はじめは不思議でしたが、徐々に理由がわかってきました。
もしかすると、私は「生きる・死ぬ」を、ひとつながりのものとしてとらえてお話しできるところにいる存在なのかもしれません。そして、もうひとつ私が「人生の最期」について相談を受ける理由があります。
それは――― 夫を、「自然死(しぜんし)」というかたちで看取ったから、でしょう。
積極的ながん治療を選ばなかった夫は、まるで樹木がゆっくりと枯れていくように、おだやかに、美しく、旅立っていきました。
夫の看取りにまつわる体験は、西洋医学で培った常識をガラリと覆す、稀有なものでした。そして、私の人生も、この日を境に一変したのです ―――
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
前にもこの本を読んだことがあるかもしれないと思った。読んだことを忘れていてもやはりこのタイトルに心惹かれるのだろう。心が疲れている時、頑張りすぎた時、大切な人との別れを経験した時にこの本は優しく寄り添ってくれる。
産後の母子愛着を促進するために、まずは母親を充分にいたわり優しくすることで子どもに愛情をたくさん注げるというモデルがある。人はギスギスした心で誰かに優しく接することは難しい。自分の心に余裕を持ち、幸せを感じることがひいては誰かへの優しさになるのではないかなと感じた。
看護師としては死に対して聞かれたときに自分の考えを答えることが難しい場面も多いけれど、僧侶としてなら聞くほうも話すほうも抵抗が少ない気がする。そういう意味で看護師と僧侶という二つの顔を持つということは貴重な存在だし、日本も医療現場にもっと宗教家が入っていいのではと思う。
Posted by ブクログ
同居の家族が亡くなり、葬儀がひと段落した頃に手に取りました。
悲しんでいる相手に対し「泣かないで」「早く元気になって」という言葉をかけることへの嫌悪にも似た感情と辛さを、客観的な言葉で払拭させていただけた気がします。
Posted by ブクログ
ともすれば「自分は後」にすることが美しいと思いがちな日常の中で、ご自身の体験をもとに「自分のコップを満たしてこそ、人を笑顔にすることができる」と勇気をもらえる一冊です。
Posted by ブクログ
まずは、あなたのコップを満たしましょう。玉置妙憂先生の著書。他人を幸せにするには、他人に優しくするには、まずは自分が幸せに、自分に優しく。他人のコップを満たすには、自分のコップも満たさないと。自分のコップを満たさないで、他人のコップを満たすことに一生懸命な人、多いと思います。それはそれで素敵なことだけれど、少しだけ自分勝手、自分中心主義になってもいい。看護師で女性僧侶でもある玉置妙憂先生ならではお言葉に救われる人も多いと思います。介護問題や家族問題に疲れている全ての人におすすめできる良書です。
Posted by ブクログ
母であり妻であり看護師である著者が夫を自宅で自然死を選び看取った後、僧侶になられた。
※人により流れる時間が異なり人生の長短に関わらず、その人にとっては最良の長さだったと捉える。
これは事故死にも当てはまるのだろうか?
Posted by ブクログ
看護師僧侶、玉置妙憂 著「まずは、あなたのコップを満たしましょう」、2018.6発行です。「家族のため、生活のため、会社のため、自分のことは後回しにして頑張りすぎている人が多すぎる。まずは、あなたのコップを(少し)満たしましょう。」と。また、今の日本は、命があるうちは医師の領分、命がなくなってからは僧侶の領分と分業化されている。そのせいで生き死にの悩みが解決されない人が多いと。私が一番感銘したのは、「延命治療に良し悪しはない。風邪薬も延命治療のひとつ。すべての治療は延命治療。自分の物差しを持つのが大切」と。自分のやりたいことを書き出しておく。例えば人工呼吸器を使えば声は出せなくなる。声を出し続けたいなら、この処置は選ばなければいい。
Posted by ブクログ
看護師僧侶という異例の肩書きを持つ著者。
NHKのスイッチでお話は聞いたことがあったが、著書に触れるのは初めて。
夫の死を自宅で看取る。その経験から僧侶となる。どちらも簡単ではない。すごい決断力と行動力。ケツは自分で持つ、という著者の胆力を感じる。
最後はみんな逝けるという言葉は、あたりまえのようで、どこか安心感を生む言葉に感じた。
将来を考えて不安に苛まれてしまうことが多いけど、どんなに悩んでも不安に思っても、人間はみんな最後は一人で死ぬのだし、今、悩んでも仕方ないのかもしれない。どうしても不安が消せないうつ病の自分だけど、最後は逝けると思って、今を楽に生きられるようにしていければいいなぁと思う。