あらすじ
幼少より蒐集に取りつかれてきた男はジッポー、レコード、野球カードなどの「物体」を超えて、顔出し看板や夏の靴底といった「概念」を蒐集する“エアコレクション”の境地に達する。“特殊古書店”マニタ書房を営む著者が開陳する凄まじき蒐集人生と、そこから導かれた画期的コレクション論。文庫化にあたり3人の蒐集猛者へのインタビュー、伊集院光との対談を増補。
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Posted by ブクログ
"マニタ書房を経営する稀代の蒐集家である著者の蒐集の歴史がつづられている本。
最後の方には蒐集してきた者たちの年表まで登場する。
蒐集家=記録魔なのだそうだ。"
Posted by ブクログ
感想
無限にモノを詰め込める空間。あったら蒐集はさらに捗る。でも本当にそうだろうか?狭い空間に集めたモノを押し込めておく。それが真に楽しいのだ。
Posted by ブクログ
エアコレクションという概念は素晴らしい。
さしずめ、私の音源集めも同じようなものかもしれない。
仮面ライダーチップスにハマった記憶はないが、子どもの頃は、駄菓子屋でウルトラマンの怪獣カードを購入して集めたものだ。
当たりが出るとアルバムを貰えるシステムだったが、子どもたちの噂で、たくさんカードを買うとお婆さんが当たりカードをくれるという話があり、いくらだったかは忘れたが、たくさん買ったらその通りお婆さんがこっそりとカードをくれた時は嬉しかった。本来なら怒るべきところだったのかもしれないが、子どもなんてそんなものだ。
確か表紙にミクラスだかのカードを貼り付ける枠があったように記憶している。その後、巨人の選手だけのカードもあって、巨人ファンでもないのに集めていた。
私もやはりコレクターの血が流れているのだろう。
Posted by ブクログ
神保町にある特殊古書店・マニタ書店の店主であり、ライターでもある著者によるコレクション遍歴をまとめた本。
マニアックな内容で、読んでいてニヤニヤしてしまう。
古本好き、蒐集好きなら読んでおいて損はない一冊。
Posted by ブクログ
著者のコレクション人生を語った本。良くもここまで覚えていると驚嘆した。モノやそれにまつわる情報への尋常ではないこだわりっぷりには舌を巻く。
私自身、体験すること、記録することにこだわってきたいわば「体験コレクター」。その意味で、関心は違えど、似た存在なのかもしれない。
本のタイトルとその本棚を手に入れたエピソードには涙。
Posted by ブクログ
著者のさまざまな収集歴の話と古書店開業にまつわる話。
蒐集するなら日本一にならないといけないという強迫観念は特殊に思える。大抵の人はそこまで大望を抱かず粛々と蒐集しているものではないか。ジッポの蒐集がみんな同じコレクションになるのでつまらなくなった、というのが象徴的で、俺だったら他人と同じだろうが自分が欲しいと思う物だったら気にせず蒐集すると思う。
蒐集は混沌とした世界に自分なりに秩序を与える行為。
自分だけの世界を創造する行為。
俺も本の蒐集をしているが徹底したコレクターではない。全何巻もの全集であっても自分が欲しいと思う巻だけあればいい。むしろ全巻揃えて不要な巻まで持つことになるのにストレスを覚える。自分にとっての一軍だけを所有したい。
古本屋ですでに持っている本の状態がいいのを見つけて同じ本を買うことはある。
エアコレクターはネットが発達して以降やってる人は多そう。写真や動画やテキストなど。いいなと思うものを見かけても持って帰らず頭の中へしまっておく、と言ったスナフキンもある意味エアコレクター(脳内)か。
俺と著者では同じコレクターでも全然考え方が違うのでその違いを興味深く読んだ。