あらすじ
「跪いて愛を乞わせてやる!」 英国伯爵のジェラルドには、ずっと想いを寄せている相手がいる。幼なじみで、現在は専属ソムリエとして自分に仕えている小山晴尚だ。幼い日、身分差から一度は引き裂かれた相手だが、晴尚は逞しく成長して戻ってきてくれた。だが、伯爵という立場を慮ってか、晴尚はジェラルドの告白を躱してばかり…晴尚さえいれば地位も名誉も何もいらないというのに…業を煮やしたジェラルドは一計を案じ―――!?
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長い初恋が成就するちょっと前
「英国貴族に愛されて」のスピンオフ、前作のお兄様のお話。前作も良いですが、個人的には拗らせ具合が前作を上回るこちらが、より楽しめました。
清く正しく美しく、ビジネスマンとしても優秀な英国貴族のジェラルド様。強がりながらも一途に幼馴染みを想っている姿が、まず可愛い。一方お相手の幼馴染みは、一歳年下の黒髪クール男前で、こちらも超優秀、そしてやはり一途でカッコいい。嫌なところが(前作はともかく、本作においては)皆無な二人のキャラクターが、好みでした。
主従の壁を壊したいジェラルド君は、「絶対、落とす!」(純粋な恋心ゆえの、貴族らしからぬ?グイグイ感が可愛い)と意気込んで力んでは、切なくも空回り。
想いが受け入れられずへこむジェラルド君は切ないけど、キュンとします。このキュンは、「お互いに相手から好かれてることを分かってるけど、お付き合いには至っていない」という、恋愛成就手前のあの甘い空気感ゆえ、なんでしょうねえ。
読者も両片想いとわかっているから、安心して見守れる感じ。甘く癒されて楽しめるお話でした。
感涙ものでした
スピンオフ作品だそうですが、こちらから先に読んでしまいました。もちろん何の問題もありません。
ここまで感動するとは思わなかった!何という健気、純真な、そして誇り高いカップルでしょうか。
後ろ指を指されるようなことはしない、義務を果たした後に正々堂々と相手の手を取ろう!力が無くては所属する社会から手酷い扱いを受ける、相手も自分も。
大切な大切な人の為に、気の遠くなるような努力を重ねた二人。これが泣かずにいられようか!
良い話でした。
王道ですね。
主人と使用人との恋
貴族社会ではけして許されることはない関係
しかも同性だから跡継ぎも産まれない
それでもそれを貫く、愛です