【感想・ネタバレ】八九六四 「天安門事件」は再び起きるかのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

天安門関係者に話を聞いて回った著書。ステレオタイプではない生の声が満ち満ちている。転向し出世した者、一貫して反政府の態度を貫き続ける者、後年にネットで「覚醒」し活動をはじめたことで人生を狂わされた者、日本人の目撃者、元リーダーとしての十字架を背負い続ける者と十人十色。

これだけたくさん話を聞くと散漫な印象に留まりがちだが、著者の豊富な知識に基づいた思考が、地の文としてところどころ記されているため、大変に読みやすい。

ワンテーマで何かを記そうとするとき、書き手はイタコとしてふるまうだけではなく、話し手の思考をしっかり理解し、分析しながら、書き進めること。それがなにより大事なのだということを知った。同業者として、今後の作品作りに大いに参考にしたい。

本の帯には「この取材は今後もう出来ない」と記されているが、聞き手の安全は担保されているのかが気になった。著者は最早、中国に入国することは無理かも知れない。

ネット検閲が強まる2015年(2014年と記していたかも)より前に取材を終えて、ギリギリ書き切ることが出来たと記しているが、確かに中国のネット検閲はエグい。それは私も取材を通して感じている。

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2018年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

天安門事件に対し、中国人の見方はさまざま。「民主化すべきだった」という意見に、「あのとき民主化すれば現在の繁栄はなかった」という意見。デモの参加者もどこか牧歌的だったところはあるし、子が親に反抗するような、そんな感じのデモだったという。多くの中国人が出てくるが、聞きっぱなしや書きっぱなしではない。しっかり著者の考察が入っており、ジャーナリズムの鑑だと思う。

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2019年05月27日

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