【感想・ネタバレ】ある少年の夢 稲盛和夫創業の原点のレビュー

あらすじ

いまや世界企業となった、京セラ。その創業者である稲盛和夫の経営哲学はいかにして形成されていったのか。
臆病者と呼ばれ、小学校に行くにも泣き喚いていた鹿児島での子ども時代。そこからガキ大将となったものの、受験に失敗し、結核に生死の境をさ迷った少年時代。その後も挫折を味わいながらも、その度ごとに恩師と出会い、自分の哲学を形成していき、27歳にして、会社を興す。それが今の京セラの原点である。
しかし、そこからも、労働組合の結成、海外進出、会社の急激な拡大と環境は激変してゆく。そんないかなる時も社員とひたすら話をするなかで解決をはかり、今日の京セラを形つくっていったのである。
本書は少年時代から20歳代、30歳代そして40歳代までに亘る稲盛和夫の言動、悩み、苦難突破の日々が克明に描かれており、経営書であると同時に人生テキストでもある。

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Posted by ブクログ

稲盛氏だけでなく、従業員等の話も散りばめられていて面白い。従業員がトップの意志を理解し実践している。すごいことだと思う。

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2015年12月20日

Posted by ブクログ

本書『ある少年の夢 稲森和夫 創業の原点』は、1979年に現代創造社より出版され、2004年に出版文化社から改訂版が出版された、稲盛和夫氏の半生を振り返る書籍である。

稲盛氏といえば、「カリスマ経営者」「経営の神様」などの異名を持つ、日本を代表する経営者である。京セラ、第二電電(現KDDI)の創業者としてはもちろん、近年では、不可能といわれた日本航空の再建、いわゆるJAL再生を成し遂げたことで、さらに広く知られていることとなった。

さて、ここから本題に入るが、読み始めの印象としては、「話が長すぎる……。」稲盛氏の幼少時代から、大学を卒業して社会に出るまで実に100P以上にも及ぶ。ここまで、細かい必要があるのかと、思わず途中で挫折しかけた。しかし、稲盛氏が社会人になって以降のエピソードは実に興味深い内容であった。稲盛氏が京セラを創業した背景、京セラがどのように成長したのかが非常によくわかった。冒頭で紹介していた稲盛氏の少年時代のエピソードもまるで伏線のように絡んでくる。そして、本書に登場するエピソードはどれも、当時の状況が自然と目に浮かぶほど詳しく描写されている。著者である加藤勝美氏が、本書の執筆にあたりどれほど熱心に資料収集、関係者への取材・インタビューを行ったかが、伝わってくる。インターネットのない時代によくぞここまでという程、詳しく調べて書かれている。逆にそのような時代だからこそこのような書籍を出版できたのではないだろうか。話が脱線してしまいそうなので、話を戻す。

本文内には多くの印象的な言葉が出てくるが、その中で私が一番印象に残ったものが、
稲盛氏が社長就任して間もない頃、インタビューで発したとされる、
「安定は停滞です。常に変化するわが社は半年もじっとしていない。職制だってしょっちゅう変わる。つまり業績は安定しているが、そのために組織は流動している」である。

近年、百年企業や老舗企業の条件としてよく挙げられる考え方を、やはり稲盛氏も持たれていたということがわかるからである。そして、経営を通じてフィロソフィーがいかに大切であるかを学ぶことができた。

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2014年03月22日

Posted by ブクログ

京セラの創業者、名誉会長の稲盛和夫の生い立ちから近年までの軌跡。
生まれてから学生時代、創業時から急成長時代・不況をへて近年まで、疾走感のある氏の人生のまとめ的な本。
いまはもう京セラってなにやってる会社だかわかんないほど、広い範囲で製品を扱ってて、でかくて会社像もよくわかんないんだけど、少なくと気風みたいなのは知ることができた。
1から始めてでかくなるだけあって、それなりの人間ドラマがあるわけですな。

結局やっぱ典型的な日本人経営者像が頭に残る。
本人はエンジニア出身なわけだけど、寝食を忘れるくらいの仕事への執着、徹底的な管理、新技術の開拓の熱意…などなど。
全部がいわゆる「志」をベースにして、その志を共有できる人材が集まって「同志」となり、急成長の基盤が形成されて、上記のようなハードワークが社風の組織が出来上がる。
現場の作業員や新入社員と熱意を語るコミュニケーションシーンも多くて、人間臭い典型なリーダー像。
新歓コンパで氏の近くに集まった新人が、熱いトークに耳を傾ける写真が(絵に描いたようで)妙に印象深い。

いまはよくわかんないけど、当時はベンチャーど真ん中な会社だったんだなと…当然、仕事人間の稲盛氏が中心。
伸びのある会社は激務が大前提。

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2011年06月04日

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