あらすじ
人はどれほどの失意から立ち上がれるのか?
中西麻耶は、テニスで国体を目指していた2006年、勤務先での事故で右膝から下を失う大けがを負う。
だが退院後、障害者陸上に転向するや、瞬く間に100m走、200m走で日本記録を塗り替え、事故からわずか2年で北京パラリンピックに出場、入賞を果たす。
自らの可能性を信じて単身アメリカ武者修行の旅に出るが、活動資金難からセミヌードカレンダーを製作した彼女を待ち受けていたのは、世間からの手酷いバッシングだった……。
ロンドンでの惨敗、うつ病の発症とどん底を味わい、一度は競技人生に終止符を打ちかけた女性アスリートが、再起して世界の頂点を視界に入れ、リオ、そして2020年東京を目指すまでの軌跡を、スポーツノンフィクションの名手・金子達仁が密着取材して書き下ろした、感動のヒューマンストーリー。
また、本書はスポーツノンフィクションの形は取るものの、読者対象は陸上競技ファンやスポーツ愛好家だけではない。
障害をもった一人の女性アスリートの実話を題材とする、苦悩し、闘うことをやめない、自らの生き方を考えるすべての挑戦者のための自己啓発書でもある。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
最後のページはやはり
最後に捲ってください。
そこにその一行はあり
ます。
余白をたっぷりとって
ページの中央に、
そっと印字されたその
一行。
そのたった一行で本書
の評価は変わります。
それから障害者だから
って、
なにかと美化したがら
ないでください。
可哀想な障害者をとり
立ててあげましたって
奢らないでください。
彼女は健常者の誰より
強い。
たとえ片脚を失っても
ライオンはライオン。
憐憫の情を差し向ける
相手ではないのです。
Posted by ブクログ
事故で片足を失いパラリンピックで活躍したアスリート・中西麻耶選手の記録。
意志が強く、太陽のように明るい中西選手だからこそ、周囲と衝突してしまう。エピソードの数々に、彼女が義足選手であることを忘れてしまいました。挫折、苦悩と葛藤、ライバルの存在、運命の出会い、決戦の舞台、そして衝撃の秘密。読ませます。まさに事実は小説より奇なり。
月並みな言い方ですが、久々に涙腺崩壊しました。泣ける本でした。
Posted by ブクログ
だいぶ前に買った本でしたが、陸上、しかも障害者スポーツという
ことで今までの自分にとってはあまり興味を見出せなかった本で
読み切るのが遅くなっていました。
読み終えたのは昨日のジュビロ観戦前。
スタジアムでの待ち時間がかなりあったので、読んでいなかった残り
3分の1ぐらいを一気読み。
中西選手がパラリンピックに挑んでいくあたりから
かなり内容に引き込まれていきました。
後半読み進めていくだけでも、この人、なんて壮絶な人生なんだ・・・・
と思っていましたが、ラストの衝撃に完全に涙腺が弾けました。
スタジアムでしかも試合前にサッカー以外で泣くやつなんて
いかに変かと冷静に考えればそうですが
もう反射的な感じでした。
さすが金子さんだと思うし、金子さん自身も相当の衝撃を
受けたんだろうと思う。
ラストの内容を踏まえて、もう一度丁寧に読み返したい本です。
たぶん、お父さんの目線で見ちゃうと思う。
そして、また泣くな、きっと。
Posted by ブクログ
スポーツフィクションは読むことも久しぶりですが、
こんなに心揺さぶられたのは初めてです。
一気読みでした。
主人公中西麻耶さんの破天荒な性格には
いろんな見方があると思うけど、
引力がありますね。
人として、アスリートとしてとっても魅力的。
著者の書き方も素晴らしい。
ラストへの伏線の張り方にやられてしまいました。
もう一度読み直したくなりますね、必ず。
しばらくは余韻にひたってしまいそう。
Posted by ブクログ
コルベットさんのレビューを見て手に取った1冊。
最後のページ、「え?」って時が止まったようになった。
一見、強くて明るく前向きに見える中西麻耶さん。
でも、彼女に限らず、人って表に見える部分だけで説明できるような簡単なものじゃないよなとつくづく思う。
一冊の中で、彼女の変化は心身ともに目まぐるしい。そして、周りの人々も…
どんな時も変わらず彼女の側にいてくれた人がいたことは、本当によかったな。