あらすじ
オスマン帝国の崩壊をきっかけに、長い封印から解き放たれた政治と宗教の関係という古くて新しい問い。その答えの一つが「イスラームの声を政治に反映させよう」とするイスラーム主義だ。崩壊「後」の秩序の模索が今も続く中東で、イスラーム主義が果たしてきた役割とは。単なる復古主義ではない、その実像に迫る。
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Posted by ブクログ
20190527-0618 バランスよく解説された良書。2010年の「アラブの春」をきっかけに。長い封印から解き放たれた政治と宗教の関係、という古くて新しい問いに、イスラム諸国(主に中東・北アフリカか)は向き合っている。その問いに対する答えの一つが、イスラームの教えを政治に反映させるという「イスラーム主義」だった。と筆者は説く。オスマン帝国崩壊後、「あるべき秩序」の模索が今も続く中東で、イスラム主義が果たしてきた役割について、社会科学・人文科学双方のアプローチから、わかりやすく解説している。「イスラーム主義」について、前近代的なものと切り捨てるのではなく現代思想の一つとして読み解いていきたいな、と思った。