【感想・ネタバレ】墨龍賦のレビュー

あらすじ

デビュー前から、海北友松という男を書きたかった――葉室麟。遅咲きの著者による50作目の記念すべき小説は、武人の魂を持ち続けた絵師を描く本作『墨龍賦』。武士の家に生まれながらも寺に入れられ、絵師になった友松だが、若き明智光秀の側近・斎藤内蔵助利三と出会い、友情を育んでいく。そんな折、近江浅井家が織田信長に滅ぼされ、浅井家家臣の海北家も滅亡する。そして本能寺の変――。友松は、海北家再興を願いつつ、命を落とした友・内蔵助のために何ができるか、思い悩む。迷いながらも自分が生きる道を模索し続け、晩年に答えを見出し、建仁寺の「雲龍図」をはじめ、次々と名作を生み出していった海北友松。狩野永徳、長谷川等伯に続き、桃山時代最後の巨匠となった男の起伏に富んだ人生を描く歴史長編。4月11日から京都国立博物館で友松の大回顧展が開かれることで早くも話題だが、本能寺の変の舞台裏についても、著者自身の推理が端々に光っており、絵師の目から見た戦国絵巻としても愉しめる。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

斎藤道三の家は法華宗なのです。その法華宗を安土論争にて裏切った信長様を、斎藤道三の血は許さないでしょう。道三の血は受けずとも、魂を受け継いだものはおります。そのものが上様を討つことになりましょう
信長の非道に苦しむ民を救うため、明智様は龍神となられるのだ。信長の誅殺は光秀の私怨ではなく、天のさばきだと、友松は思った
絵に魂を込めるなら、力あるものが滅びた後も魂は生き続けます。たとえ、どのような大きな力でも変えることができなかった魂を、後の世のひとは見る事になりましょう

0
2020年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦国時代の絵師・海北友松
狩野派の麒麟児・永徳を始め、安国寺恵瓊、織田信長、尼子勝久、明智光秀、そして生涯の友となる斎藤蔵之助等、戦国の綺羅星のごとき武将達との交流と共に描く。
武将の魂を持って絵と向き合う事になるその宿命。
友松の目を通して戦国時代を映し出す。

歴史上稀有なミステリー本能寺。
秀謀反の背景とは・・

宮本武蔵、等伯、とも同時代。

0
2017年05月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「武士に生まれながら絵師になった人物」と聞いて、絵師になりたくて武士の身分を捨てたのかと思っていたので、抱いていた印象と全然違って戸惑った。
 だが、読み進めていく内に、この龍のような絵は、内にそういう気性を秘めていなければ描けないんだろうな、と思えて納得した。
 明智光秀が信長を討った理由も、そんな見方があるのか、と新鮮だった。
 宮本武蔵が登場するのにもびっくり!

0
2017年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本を読む前に京都・建仁寺本坊方丈にある「雲竜図」その他を見てきた。
かなりの迫力に圧倒された。
この本を読んで、海北友松の作品の力強さの背景がよく理解できた。

本書では、春日局、安国寺恵瓊、明智光秀、斎藤利三(明智光秀の家臣)、織田信長、豊臣秀吉、狩野永徳等々歴史上の著名人が次々と出てくる。最後は宮本武蔵まで登場したのには驚いた。
Wikipediaで調べてみると、経歴・作品の詳細はあまりはっきりしないようだが、上記に名前を挙げた人物とは何らかの関係があったようだ。

海北友松のような戦う武士というか不満や怒りのエネルギーに満ち満ちている人物は、葉室麟の作品としては、そぐわないような感じがしたし、あまり得意ではないような気がする。

0
2019年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

かいほうゆうしょうのお話。
濃姫が帰蝶と呼ばれているお話。
そして、知らなかった【美濃譲り状】

本能寺の変

斎藤内蔵助との友情。
狩野派。
宮本武蔵が弟子だったぁ。

0
2017年08月08日

「ノンフィクション」ランキング